綱引きな日

 このところ、特に遊んでいるわけでもないのに、筋肉痛である。理由を考えてみたら、毎日子牛と綱引きをしていた。好きでやっているのではなく、親子関係を確認して耳票を着けたり、離乳するためだ。子牛は、真っ直ぐ引っ張ろうとすると、全力で抵抗することが多い。距離を稼ぐときは、正攻法より後ろに回って追った方が、楽ちんだ。ときどき、走った子牛を止められず、ロープを放してしまうこともあるが・・・。
 今日は、牛舎周辺を歩く子牛たちの耳票を着けたいと思い、マジにやった。
 親子関係を確かめるには、子牛が母親の乳を飲み、母親が素直に受け入れて子牛を舐めていることだ。現場を押さえた子牛は、その場で母子共に確保し、耳票を取り付ける。
 その後は、子牛がいるはずの母牛と、耳票の着いていない子牛を捕まえ、子牛にはオモテ(モクシ)をかけておく。他の牛達を追い払い、落ち着いたところで、子牛を放す。ここで、親子関係を確認できることもあるが、知らんぷりして遊びに出てしまうのもいる。
 黄色の38番は、離乳時期になった子牛がいるはずである。見あたらないので、母牛をしばらく繋いでおいた。だが、午後になっても子牛は来なかった。理由は、黄色の38番は大浦にもいて、子連れは大浦の黄色の38番だった。可哀想なことをした。
 大浦では、赤いタブの20番が発情していたが、あれは赤ではなくオレンジらしかった。いろいろ戸惑うのだ。この牛には、『茂花国』を着けた。
 大浦の湾には、ジャンベ留学生達が、海研修を受けていた。楽しそうだったが、俺は仕事がたまっているので、ゴロウをおいて帰ってきた。ゴロウは、何所に行っても人気者だ。一緒に泳いでいた。
 アマサギは、牛と共生しており、牛に集る蝿や、牛に驚いて飛び出す虫を食べて生きているらしい。牛の水場に、ボウフラ対策として金魚を放そうと思っているのだが、こんなにいたら食べられてしまうだろうか? 
 牛の群の中で、頭を下げて寝ている子牛は、たいてい病気をしている。捕まえて熱を計ったら、40.5度。まだ続いているのか?
 2頭離乳し、2頭離乳小屋から二人部屋に動かした。