島探索!

 八代にいた頃、雨はしょっちゅう降るものだった。東京や北海道は、それほど雨が降らないと言う印象だ。この島に来て、再び雨がより身近に感じている。

 今朝は、地域興し協力隊の隊員をしている女性が、牧場を手伝ってくれた。何時だってゆとりのない俺は、手伝ってくれる人がいるととても嬉しい。エサやりだけでなく、刈り取った生の牧草集めもやっていただいた。こういう農作業は、話をしながらやると、意外に楽しいものだ。夢を聞かせてもらった。

 水タンクが、また空になった。ポンプのスイッチを入れに、集落まで帰る。どうやら、1日から2日ほどしか保たないらしい。

 キビナゴをもらった。体長10cmほどの小さな魚だが、手開きによる刺身は、なかなか味わい深く美味しい。男の人は、たいてい好きなのだ。だが、とても面倒くさく、きっと奥様方は嫌だろうなと思った。50匹ほど手開きにしたが、途中から何度も止めようかと思ったほどだ。俺のように、指先が千切れて無くなっている物には、特に面倒くさい作業だった。でも、完成した刺身は、とても美味かった。

 昼飯の後、溜まっていた事務作業を少しした。郵便局にも、転送願いの書類を出した。転籍届けも・・・。終わってしまうと、なんですぐにやらなかったんだろうって、意外にあっさりとした感じなのだ。
 雨が降っていたので、何となく島の散策をすることにした。島内は、どこでも2〜3kmも走ると、目的地についてしまう。最高速度が40kmに達することなど無い。
 硫黄岳の脇をすり抜け、坂本温泉に行く。
 大きな岩がゴロゴロした海岸に、コンクリートで湯船が作られていた。雨が降っていたのもあるが、あまり入りたくないと思った。岩の上は、ゴロウでさえ転ぶほど滑りやすかった。
 平家城跡展望台は、切り立った崖の上にあった。眼下の浜は、ゴロゴロとした岩だらけで、湧きだした温泉で海の色が変色していた。頑張って浜に穴を掘れば、プライベイトな温泉が出来るらしいが、俺はその必要が無いと思った。
 東温泉は、岩に穴を掘ったような湯船になっており、趣があった。

 雨の中、生草を集めに行った。過放牧の牛舎下は、牛達が飢えて五月蝿いのだ。
 
 キビナゴの酢焼きを食べた後、ガソリンランタンを持って、東温泉に行った。何かに、泉質がきついような事が書いてあったのだが、とても気持ちよく、あがった後もお肌サラサラだ。これは良い!