帰ってきたハイラックス

 相変わらず、電話や来客が多いのだが、みんな俺のために動いてくださっており、何とありがたいことだろう。
 離乳して間もない未去勢の子牛を、地元の人に販売することになった。せっかく生まれた命が、事故や病気で失われるのは可哀想で、俺のその気持ちを汲んでくださった。地元で欲しいと思ってくれた方も、小さな子牛を遠い市場まで運び、ストレスをかけた状態で買い戻しても、絶対に迷惑するだけなので、きっと良かったと思う。

 ハイラックスが、2週間ぶりに戻ってきた。
 ポルテはオーバーステアー気味だったので、久しぶりに乗るハイラックスのアンダーステアーに違和感を感じた。こんなに鈍くさい車だったっけ?
 でも、いつもハイラックスを止めている場所に、普通にポルテを止めたときは、タイヤが滑って脱出できず、砂を敷いたり押しながらハンドルを切ったり・・・苦労したものだ。人にも車にも、得手不得手がある。ハイラックスが帰ってきたので、出かけるとき犬達は荷台に乗れて嬉しそうだ。

 道南タンパクが、ツボミを引取に来てくれた。車が入れる場所まで、トラクターで吊り上げて運んできたのだ。
 大人の牛を死なせたのは始めてだ。獣医さんに死因を聞いたら、斜面で背中を下にして転び、起き上がれなくなり、腹にガスが溜まってしまったのだと言う。
 身軽な牛で、いつも暮らしている放牧地で、なぜ起き上がれないという事態になってしまったのだろう?倒れていたのは、牛が集まる場所だったので、なんかされて転がったのだろうか?