春の予感

 牧草ロールは、草架に入れて与えるものだ。そうしないと、食い散らかされ、乗っかって糞尿を垂れられ、転がして谷底へ・・・。でも、草架って買うと高いのだ。簡易草架も作ったが、足りないので結局雪の上に直接置くしかない。数が少ないと、弱い牛は食べられなくなり、痩せてしまう。良い草過ぎると、強い牛は食べすぎて太ってしまう。だから、妊娠牛にはあまり良い草はやらない。牛飼いも、ちょっとは考えているのだ。
 今朝も除雪車が来るほど雪が積もっていたし、気温は氷点下だったのだが、雲を貫いて届く熱線は、明らかに真冬のものとは違っていた。昼頃になると、道路の雪は溶けてしまった。間もなく、春が来るのだ。
 日射しが強くなっても、気温が氷点下なら、日陰は寒いのだ。
 堆肥舎に置いたクボタM7950DXは、寒くてエンジン始動に失敗し、バッテリーが上がってしまった。充電するために、延長コードを三つ繋いだ。安物の充電器は、時間がかかるのだが、仕方がない。
 代わりにクボタM8030で、堆肥の切り返しをした。こちらは、太いタイヤを履き、100kgの重りをタイヤ脇に着けていて、安定感が違う。でも、使用頻度が高いので、クラッチが減ってきた。牧草収穫前にクラッチ交換しなければならないが、困ったな〜!
 ジョンの様子を見に行ったら、風よけに置いてやったロールに穴を開け、頭を突っ込んでいた。
 このロールは、早刈りしたのだが、丸めた後に長雨に当ててしまい、表面が黒く変色しているのだ。でも、中の方は綺麗で、牛も馬も喜んで食べている。しばらく口をつけなかったジョンだが、中が美味いと発見したようだ。