眠れぬ夜

 先日、衝撃的事件と言って日記を書いたが、あれは俺には関係のないニュースだった。だが、昨日起こった事件は、俺の人生を変えかねない、俺にとっては大事件だった。
 結局、一睡も出来なかった。救いは、悪いことではないことだ。

 昨日とは打って変わり、今朝は氷点下に逆戻りしていた。雪解け水は再び凍り、表面にしわが寄っていた。俺を見つけて追いかけてきたポパイが、足を滑らせていた。すっかり犬のようになった馬達は、俺を見つけたらエサが欲しくて後をついて回る。
 盲目のキサラギは、言われないと盲目とは判らないほど、自然な動きをするし、周りの状況をよく把握している。俺が近づくと、気がついて寄ってくる。
 今朝は、はじめて哺乳瓶ホルダーを使って、ミルクを飲んだ。教えてもいないのに、フードボトルにも吸い付き、エサを食べていた。勿論、エサ箱にも顔を突っ込んでいる。これは、シンプルな作りの部屋なら、普通に飼育できると言うことではないだろうか?
 先日は、後ろ足の削蹄をしたセリナだが、今日は前足の削蹄をした。後ろ足は、しばることが出来たのでまだ良かったが、前足はどうしてもしばれなかったので、手で持ってやった。体重がかかる前足は・・・重かった。