刃こぼれ

 今日は良い天気だった。風もなく寒気も緩んだので、牛も馬も嬉しそうだった。それぞれに、牧草を運んでやったが、みんな穏やかな顔をしていた。
 馬は、気持ちがよいと走り出すのだ。ソックスがポパイにちょっかいを出し、それが引き金となって雪の急斜面を走り回っていた。走る馬の姿は、とても清々しい。
 昨夜帰って来なかったセリナ(金安平)が、『発情した』と帰ってきた。スタンディングしていたので、獣医さんに診てもらった。ガリのセリナだが、子宮はちゃんと成熟しているそうだ。受精卵移植に再チャレンジする予定。
 切り草を作っていたら、カッターが突然止まった。慌ててスイッチを切ったが、調べてみたら、乾草の中にテッターのタインが入っていたようだ。おそらく、作業中に折れたタインを、牧草と一緒に丸めて、それに気がつかずにカッターに吸い込ませたらしい。
 刃が大きく刃こぼれしており、草を切るときの負荷が大きくなっていた。これって、研ぎ直し出来ないと思う。刃こぼれを直す事って出来るのだろうか?買ったら高そうだ。ふぅ。

 日本の調査捕鯨に反対するシーシェパードの抗議船が、衝突大破した事で、騒ぎが大きくなっているらしい。
 そもそも、小回りの効く高速船で、大型船に急接近したり、酪酸を投げ込んだり、スクリューにロープを巻き付けたりすること自体不法行為なのに、妨害行為をしながら進路に立ちふさがる事なんて論外だと思う。大型船は小型船と違い、急加速や急旋回は出来ない。作業妨害のために付きまとっていたシーシェパードの抗議船は、自らの責任において衝突を避ける義務がある。
 でも、オーストラリアって人種差別がひどい国で、つい最近まで先住民族アボリジニを徹底的に虐げてきた。反捕鯨には、人種差別と異種文化に対する拒絶反応が絡んでいるので、一筋縄ではいかないようだ。そういう人たちを相手に、理解を得ようと話をするのは、とてつもないエネルギーが必要だ。
 個人的に知り合うと、嫌な人たちではないが、文化や人種に関しての許容範囲が狭い人たちという印象を、俺は持っている。
 5ドル程度の買い物をしたとき、100ドル札しか持っていなかったので、コインを数えていたら、後ろにいた老婦人が、
「このジャップは、後ろに人が並んでいるのに、小銭で払おうとしている。」(オーストラリアなまりの英語)
と悪口を言われたことがある(聞き取れないと思って言っていた)。
「100ドル札で払うと、もっと時間がかかるだろ!」
と言ったら、ビックリしてスゴスゴ逃げていったが・・・。
 世界には、自分たちとは違う文化もあるのだということを理解して、文明国の仲間入りをして欲しいと思う。