除雪な日

 今年も、暖冬だと思う。気温が高いから、木に雪が着いて、白い花が咲いたようになっていた。雪が多い年には、高さ2mある丸馬場の壁が、雪に埋まってしまうこともある。
 糞出しやロール運びで苦労するので、除雪をやった。俺は、除雪作業が下手である。
 俺が入植したとき、牛舎の周りはトラクターで入れず、屋根から落とした雪は、人力で除雪していた。やってられないので、暗渠排水を掘ったり、貝殻や砂利を大量に投入して整備したのだ。
 今日は、ユンボで除雪作業をした。牛舎の周りと、大子牛のパドックに溜まった雪を排雪したが、完璧にはやらないのだ。
 牛舎側放牧地を、ユンボで圧雪して回った。ロールを持ったトラクターが、車輪を取られて身動きできなくなってしまうからだ。草架への道も作った。
 多恵四郎は、ミルクを飲むのが下手くそで、彼にミルクをやるとしぶきが飛んで、顔やメガネにかかる。その彼を少しずつ訓練して、今日やっと哺乳瓶ホルダーから飲ませることが出来た。
 市場成績が来た。
 福六郎(福栄)より、ワカコ(勝忠平)の方が高かった。福六郎は、生まれたときからとても小さかった牛なので、まぁしょうがない。