冷え込みは、生まれたばかりの仔牛には、辛そうだ。浪五郎が、熱を出していたので、隔離した。
 受精卵受け牛のセリナと後継牛ハルカを、放牧に出してみた。放しても、牛舎の側から離れないのだが・・・。少しずつ慣れてもらわないと、我が牧場は放牧することで成り立っているのだから。繋ぎっぱなしだと、発情しても判りにくい。
 地面も固く凍りつき、ロールを運ぶトラクターが、走りやすい。
 米ぬか発酵飼料を仕込んだ。この時期は、袋に詰めてストーブの前に置く。近づけすぎると袋が溶けるし、ビニールだけだと、ストーブ大好きな犬の前足で穴が開けられる。
 昼飯を食ってゆっくりしていたら、セリナとハルカが、家の前を横切った。放牧になれていない二頭が、牧柵を破ったのだ。一応二頭とも、電気牧柵は知っているはずなのだが、誰かに脅されたのだろう。捕まえて、元のスタンチョンに戻した。徐々に慣れてもらえばいいのだ。
 大袋に入ったジャガイモを、小分けにして地下室に移した。暗くなる前に、全部を運ぶことが出来た。
 双子座流星群のピークだが、気温は−5℃まで下がり、空のほとんどが雲に覆われている。流星好きの俺でも、ちょっと観察する気にはなれなかった。
 ストーブの前は、犬二頭と人間一人で、場所の取り合いになっている。寒さに強いはずなのに、二頭ともストーブが大好きなのだ。