どこまで続く泥濘ぞ!

 今日も、みぞれが降ったり止んだりの天気だった。これだけ降ると、広い放牧地も足跡に水が溜まり、ぬかる。ちょっと歩くだけで、足を取られ、転びそうになる。
 糞出しをするときも、ぬかるむ斜面を、一輪車を押して歩く。ときどき、激しくみぞれになる。
 フッと顔を上げると、いるはずの無い所に、牛がいる。ぬかるむので、牧草を持っていくのが遅れたのだ。腹を空かせた牛は、ローズの庭に侵入し、まだ沢山生えている雑草を夢中で食べていた。
 追いムチを持って、転ばないように気をつけながら走る。ゴロウ達もローズも、牛追いを手伝ってくれた。とりあえず、脱柵は解消した。
 ここで、もう一仕事。出荷することにした母牛サトコ(平茂勝←安福165の9)を、明日採血するので連れ帰ることだ。サトコは、とても扱いづらい。その彼女を、妊娠牛放牧地から連れ帰らなければならない。泥濘に足を取られながら、ジタバタと追って、群からフクとサトコを牛舎側に追い込んだ。
 フクを捕まえ、妊娠牛放牧地に戻している最中に、牛舎側放牧地にいる牛の数が増えているのに気がついた。調べてみたら、二つの放牧地を仕切っているバラ線が切られていた。先ほどの騒ぎで興奮した誰かが、破ったしまったようだ。ハァ!
 落ち着かせるために、牧草ロールを運んでやり、バラ線を修理した。なぜか、ローズが牛の群に混ざってしまった。牛の放牧地には、クローバーが生えているので、それが目的らしい。
 飯を食って気を取り直し、再出発。牛舎に牛群を呼ぶ。押し入りのため、スタンチョンの数が足りない。あぶれた牛は、ロープで柱に繋ぐ。妊娠牛を残して、他の牛は追い出す。その後、1頭ずつぬかるむ草地を通って、妊娠牛放牧地まで引っ張っていった。
 臨月のタエも帰ってきていたので、そのまま残留させた。スタンチョンの数が足りなくなったので、使っていなかった2つのスタンチョンを復活させ、タエとサトコも繋げるようにした。