初雪

 昨夜は冷え込んだが、それほど降らなかったようだ。風が吹くと、降った雪が舞い上がっていた。気温は低く、作業ツナギの上にジャンパーを羽織らないと寒かった。子牛にミルクをやる手も、濡れているところに風が当たって、とても冷たかった。もう冬である。
 受精卵採卵予定のモトツボが、3回目の発情をしていた。良い発情だ。発情確認して採卵プログラムを決定するために、獣医さんに電話した。寒いせいか、呼んだら牛達は一目散に牛舎に帰ってきた。軟弱者である。
 寒くなると、チビ子牛にとっては辛い。チビの元八郎には、分厚い牛衣を重ね着させた。
 明日は出荷なので、浪四郎ときのこにブラッシングをした。
 モトツボの発情確認をした後、こゆきの妊娠鑑定をお願いした。脱走を繰り返す話をしたら、淘汰することを勧められた。空胎だったら、淘汰することも仕方ないと思っていた。で、鑑定結果。
「残念ながら、入ってます。」
こゆきとは、あと1年間はおつき合いしなければならなくなった。モトツボの受精卵を、受胎していたのだ\(^O^)/
 去年採ったモトツボの受精卵のうち、俺の手元に4個の卵を残したのだが、3個が受胎したことになる。なかなか良い確率だ。
 夕方には雪が強くなり、気温はさらに下がった。道路も真っ白になった。牛舎の水道は、凍結して水が出始めるのに時間がかかった。子牛の水バケツは、表面が凍っていた。
 さすがに寒いので、厚着してストーブを着けた。設定温度は14℃。犬達は、ストーブの前を占領して、気持ちよさそうに寝ている。