断水

　朝、水を飲もうと水道のコックを動かしたが、やけに水圧が低い。まるで、凍結したときのようだった。不審に思いつつ牛舎に行ったら、水は全く出なかった。営農用水道に異常が発生したようだ。子牛に水がやれないし、ミルクも作れない。蛇口をひねると水が出るありがたさを、痛烈に思い知らされた。
　家の水道は、ちょっとだけなら出るので、ヤカンに貯めてお湯を沸かし、子牛のミルクを作った。４頭分を作るのに３往復した。水が無いと、子牛がエサを食べられないし、手も長靴も洗えない。結構、仕事の能率も悪く、気分的にもブレーキがかかってしまうのだ。
　その後、消防のタンク車が来て、子牛の水を給水してくれた。これで一安心。ご苦労様です。
　沢山水を使う酪農家は、大変だったと思う。俺ンチの牛は、勝手に沢の水を飲んでいるが、繋ぎ牛舎ではウォーターカップが使えなくなったら、牛が水を飲めないから、気が気では無いはずだ。
　馬場作りをやった。
　埋まっている木くずを掘り出して縁を固めるのに使い、開いた穴には粘土質の土を入れて踏み固めた。
　明後日から雨が続き、一週間後には雪になるらしい。明日の晴れ間に、出来るだけユンボで均して踏み固めれば、一応完成という事に出来るだろうか。砂を敷きたいが、先立つ物がないし(T_T)/~~~
　蜜五郎は、産まれたときから、牛衣が小さい。ブカブカの元八郎とは大違いだ。
　茂次郎には、ヘルニアコルセットを着用させた。マリアが、ミルクを飲んだ後に、茂次郎の○○を吸ってしまうからだ。吸わせておくと、隣り合わせたヘソの穴から腸を吸い出されることがしばしばあるのだ。
　コルセットを着用したら吸えなくなって、マリアはとても不満そうだった。