失踪 柵補修するも・・・

 綾五郎は、とても足腰が強い。産室から出してやったら、あっという間に居なくなった。
 日光浴がしたかったようだ。暖かい季節に産まれた子牛は、それだけで幸せだ。ただ、この子はとても重いので、連れて帰るのが大変だった。
 産室は、親牛と一緒に入れておくと、汚れ方がハンパではないので、コユキはスタンチョンに繋ぎ、綾五郎は遮蔽板で外に出られなくした。
 柵の補修に行った。まずは、電牧ワイヤーを回収するところから始める。ナイロンに編み込んだステンレス線が断線しているところがあるが、2重にして使えば大丈夫なのだ。牛に対しても、存在感をアピールできる。
 牧野に行くと、アヤが出迎えてくれた。この牛は、とても人懐っこい。顔にたかったブヨを取り除いてやったら、すごく嬉しかったようだ。ブヨの大群と共に、俺の後を着いて歩くのだ。
 作業中に顔をこすり付けられ、ブヨの大群を連れてこられて、俺はあまり気持ちよくなかった。
 牧柵の低すぎる部分を高くした。電圧が下がりそうな場所を見て回り、補修した。
 ちょっと休憩して牛舎に行くと、先ほどアヤと一緒に出迎えてくれたはずのモモカが、牛舎にいた(T_T)/~~~  牛舎が好きなのね。どこから脱柵したのか判らないので、とても困る。
 結局、すべての場所を2段張りにしないと、安心できないということか?