こゆきの出産 アヤ、メロン種付け

yonemiki2009-05-15

 ローズが、変わったお洒落をしていた。でも、前が見えにくそうだった。
 牛舎に行ったら、それどころではなかった。
 昨夜、受精卵移植による出産が近づいた交雑種のこゆきの乳が張っていたので、予定日にはまだ日数があったが、とりあえず牛舎に繋いだ。
 今朝行ってみたら、こゆきは不自然な態勢で倒れており、陰部から足が見えていた。その足がでかい!難産である。
 産科チェーンを足にかけたが、全く動かず、足は冷たくなっていた。子牛は既に死んでいるようだった。
 全体重をかけて引っ張るが、ビクともしない。仕方なく、柱に8倍滑車を取り付け、8人力で引っ張った。陰部が裂けないように、慎重にやった。
 子牛は徐々に出てきた。苦しがるこゆき。
 出た!生きている\(^O^)/ すごく大きな雄である。昨夜、外に出していたら、気がつかずに殺してしまうところだった。
 ドナーはアヤ(安福165の9)なので、綾五郎だ(平茂勝)。アヤは、推定育種価がほとんどオールAで、モトツボより良いのだ。

 大仕事をしたこゆきは、力尽きて動けなくなっていた。俺が一生懸命体を擦ってやったら、綾五郎は乳を飲みたそうな顔をした。
 ゲッ、人工初乳がない!なんたる失策であることか!(井伏鱒二山椒魚より)
 共済が開くまで、まだ時間がある。こうなったら、巨乳こゆきの母乳を頼るしかない!
 蹴られないように、ペンチ式の鼻カンで動きを止め、慣れない手つきで母乳を絞る。出る出る。あっという間に十分な量がたまり、生菌製剤を溶かし込んで綾五郎に飲ませた。
 こゆきは、綾五郎に興味を全く示さず、さっさと外に出て行こうとした。母性本能を起こさせるには、とにかく子牛を舐めさせることだ。
 子牛に米ぬかをまぶしてみたが、全然駄目だった。体に配合飼料を貼り付けてみたが、これも駄目。最後に、粉末状になったチビ子牛のエサをまぶしたら、ようやく舐め始めてくれた。舐めているうちに、母性本能が目覚めるのだ。
 福五郎と瓜四郎を、産室脇の小さな部屋に移ってもらい、開いた産室にこゆきと綾五郎を入れた。しばらく苦労していたが、綾五郎はこゆきの5つもある乳首の一つに吸い付くことが出来、ようやくホッとすることが出来た。
 監視カメラで見ても、ピッタリより沿っていて、良い親子だ。

 アヤとメロンを、診ていただいた。どちらも種付けが出来る卵胞が出来ており、アヤには『茂勝栄』、メロンには『安福勝』を着けた。
 メロン(平茂勝←谷秀)は留まりが良いので、『安福久』を着けたいところだったが、血統的に・・・。貴重な種なので、せめて2代祖まで血統の良い牛に使いたい。間もなく発情するサトコ(平茂勝←安福165の9)は、血統的には申し分ないが、留まりが悪い。
 悩み多き牧夫なのだ。