幸四郎出荷 シゲヨ種付け パンク ミノリ出産

　ローズは、今日も元気に走り回っていた。普段は可愛いのに、エサを食べているときの目つきは怖い。
　幸四郎を出荷した。体高は高いのだが、幅がない。市場では嫌われるタイプだ。可愛い牛なんだけどね〜！
　シゲヨ（平茂勝産子）に、『北平安』を種付けした。
　１０日も出産が遅れているミノリ（勝忠平産子）が、産気づいていた。時間がかかりそうだったので、糞出しなど他の作業を続行する。ナツミの部屋を糞出ししようと思って、何気なく見たら、トラクターのタイヤがパンクしていた。古クギが、しっかり刺さっていた。タイヤは、重いんだぁ！
　飯を食いに帰って、ボンヤリ監視カメラを見たら、足胞が出ていた。急いでタオルを持って、牛舎に駆けつける。出産が遅れる場合、雄の確率が高い。だが、足を触ったらメスだった。簡単に出ると思ったら、意外に大きかった。

　ミノリは、若いのに良い親だ。寒気が緩んだ時を見計らって、出産したのだ。産まれた子牛を、一生懸命舐めていた。俺も、敷きワラで体を擦ったあと、タオルで拭いてやる。子牛は、すぐにミルクを欲しがったので、人工初乳を哺乳瓶で飲ませる。生後15分のことだ。その後も飲みたがったが、親の乳を飲ませるために、我慢させた。体を暖め、乾かすことに専念する。家に連れ帰れば良いのだが、親子関係に傷をつける可能性があるので止めた。
　落ち着いたところで、タイヤをスタンドに持って行き、修理を依頼する。
　さらに子牛を暖め、母乳を吸わせる。指で誘導すると、指に吸い付くので苦労する。ミノリは、俺が乳首を引っ張っても辛抱強く立っており、なんとか吸い付かせることが出来た。
　名前、なんにしよう？アキコの娘ミノリ。その娘・・・。キノミ？カジツ？キノコ？『キノコ』（北平安産子）だな。
　木星と金星が、並んで西の空に輝いていた。今日は星が綺麗だ。