すき焼き一考 スキシャブ?

yonemiki2008-10-27

 マロンとブランカが帰ってきて、ポパイも馬房からよく出てくるようになった。一人の時は、ちょっと引きこもり気味だったので、明るくなった。
 気温が下がったせいか、チビ仔牛のエサが残り気味だった。真っ白だった尿石の百四郎だが、かなり改善されていた。
 雨は、降ったり止んだりして、地面のぬかるみは深くなるばかりだ。泥の季節も、もうしばらくすると氷の季節に変わる。
 
 黒毛和牛の素牛を生産しているが、世の中は景気が悪くなって、贅沢品である黒毛和牛は売れるのだろうか?
 食べたことがある人は、その美味しさをわかっているが、霜降り和牛は値段が高く、初めての方には敷居が高いと思う。
 せっかく高いお金を出して買っても、調理法を間違えると、脂っこくて不健康な食べ物に感じてしまう。霜降り和牛を、ホットプレートやフライパンで焼いても、脂っこくてしつこいって感じてしまうだろう。

 こんな話しをお肉屋さんとしているうちに、まずはすき焼きで試してみることになった。
 今日は、群馬県の上州和牛でも、お求めやすいバラ肉ともも肉を使った。すき焼きという名前だが、肉を先に焼いてしまうのは、肉の味がわからなかった昔の調理法だ。
先に牛脂を焦がして香りを出し、野菜をダシ(お手軽に市販のすき焼きのタレ)で煮る。好みで日本酒で割る。
 煮詰まらないように火を弱めてから、肉を食べる分だけ少しずつ入れて、色が変わったらすぐに食べる。

 この方法なら、和牛の旨味が逃げないで、手軽に美味しく食べられると、俺は思う。お店の人も、その食べ方に賛成してもらった。(後日『すきしゃぶ』と名付けていただいた)
 ちょっとつゆだくが美味しく、煮詰まったときはお酒を入れる。肉は広げるように鍋に入れ、シャブシャブしない!

 一応、よく煮込んだ肉とさっと火を通しただけの肉の両方を試した。
 赤身の多いもも肉だが、火を通しすぎないことで、とても柔らかく肉の旨味を感じることが出来た。煮込んだものは、味がしみているが、肉本来の味が抜けてしまっていると思った。
 バラ肉は、焼くと脂が気になるが、さっと煮ることで驚くほどさっぱりと食べることが出来た。黒毛和牛の脂肪は、煮ると柑橘系の香りのする脂肪酸が出る、世界唯一の肉なのだ。こちらも、煮すぎるよりさっと火を落とすだけの方が美味しいと思ったが、煮込んでも、もも肉より旨味が残っている気がした。脂肪分の量の違いだろうか?

 それにしても、黒毛和牛は美味い!
 先日、頑固な豚すき焼き党の友人と一緒に食べたことがある。黒毛和牛のすき焼きだというのに、彼は自分用の豚バラ肉を持ってきて、鍋に入れていた。だが、彼は豚肉を食べないで、和牛ばかりをつまんでいたのを、俺は見逃さなかった(笑)。
 こんなうまい牛肉を食べたことがないと言っていた。北海道の田舎では、美味しい牛肉は手に入らないのだ。牛肉(ホルスタインです)は癖があると思っていたのに、和牛は美味しいと思ったそうだ。
 俺は、事前に100g250円のオージービーフでも試したのだが、繊維が荒くどうしても歯ごたえがしっかりして、旨味が少ない。比較するなと怒られそうだが・・・。
 生産者として、黒毛和牛を育てるだけでなく、美味しい食べ方を知り、世に広めることも大切かな〜って思って・・・。いろいろ試してみます。
                                  明日へ続く