アヤ出産 ナツミ部屋替え 

 全治4週間と言われた膝の皿骨折だが、かなり良くなった。でも大事を取って、牛舎へは車で出勤する。行きは、エンジンをかけなくても行けるのが良い。
 今日は、産室の百四郎と光次郎が、脱走して走り回っていた。自分の所のエサを食べずに、あっちこっち食べ歩いていたらしい。
 空き部屋になっていた、アバラD型の掃除をした。

 アヤ(安福165の9)の尾がらみ(粘液)が増え、尻だけでなく背中にも着いていた。今日産まれると思い、敷きわらを交換して昼飯に帰った。モニターを見たら、既に一次破水していて、足まで見えていた。
駆けつけると、アヤは横たわっていた。立たせようとするが、起き上がってくれない。そのまま、大きな前足に産科チェーンをかける。
 アヤの黄門様が、異常に突出している。子牛が大きいのと、頭が引っかかって仰け反り気味なのだ。一旦押し込んで、手で導きながら正常な通路に導く。
 立ってくれていれば楽なのだが、膝を曲げられない状態での作業は、苦しかった。床に腰を下ろして踏ん張り、なんとか引っ張り出す。平茂勝産子なので、でかい!羊水を吐かせるために逆さ釣りするのだが、血管が切れそうになるほど重かった。
 雄子牛なので、『綾四郎』だ。アヤも、疲れてしばらくは立てなかった。代わりに、敷きわらで子牛の体を擦ってやる。
 出生後20分で、自発的に哺乳瓶から人工初乳を飲んだ。大きな子牛は、立ち上がるのに時間がかかる。俺は、短気なので待っていられないのだ。

 先ほど綺麗にした空き部屋に、ナツミを引っ越しさせた。人懐っこいナツミは、あまり手を焼かせずに引っ越しできた。同室のセリナがどれだけ食べているのか判らないのと、大食のナツミは部屋を汚すからだ。
 セリナは生後2ヶ月以上経ったのに、ガリガリに痩せており、今日産まれた綾四郎ほどの体格しかない。エサも良くつまんでいるし、ミルクも飲んでいる。便も良いのが出ているのに、どうしたのだろう?やはり、淘汰するべきなのだろうか?これでは育成費用も出ないだろう。

 綾四郎の立ち上がりが遅いので、補助に行く。体を擦ると、徐々に目がパッチリしてくる。立ち上がったところで、アヤが体を舐めてやる。あっちゃコッチャ、ヨタヨタ歩いているうちに、腹が減ってようやく乳首に吸い付いてくれた。生後5時間。かなり乳量があるようだ。ホッとする。

 掲示板が復活した。特に新しい記事があるわけではないのだが・・・。

 夕方から激しい雷雨になり、何度もブレーカーが落ちた。電気機器のコンセントを抜き、さっさと寝た。