眉間のしわ

 朝早くに、パワステオイルの漏れを、応急処置的に溶接修理する人が来てくれたが、そんなに簡単に出来ることではなかった。直りもしないのに、お金をかけるのは馬鹿らしい。
 この修理だが、クレームが効かないと言う。ぶつけたりしたわけでもなく、たった2ヶ月でオイルが噴き出すなんて、修理不良だと思うと主張したが、あまり効果がなかった。牛が安いのに、機械屋さんに支払う修理代が高くついているので、俺の眉間のしわは、さらに深くなるのだ。
 マリヨが、白痢になっていた。親から放し、補液する。ロタウィルスだろうから、治るまで母乳を飲ませるわけにはいかない。しわが深くなるのだ!
 迷ったが、現在レーキしてある外周を、先にロールしてしまうことにした。ハンドルが重くなったら、オイルを足す。斜面が複雑な上、勢いを持ってロールが排出されるので、藪に消えていくロールが・・・。しわがぁぁぁ!
 久々のロールベーラーは、ロールを縛る紐が切れなくてイライラする。こびり付いたゴミを綺麗に取り除き、動きを良くする。
 2週目の外周をロールしていたとき、ピックアップタインの端に、牧草が詰まったと思った途端、タインが回らなくなった。詰まった牧草をカッターで切って外していたら、勢い余って手も切ってしまった。
 原因は、チェーンが切れたからだった。一旦牛舎に帰り、チェーンを繋ぐ駒を探す。雑品の中から、ちょうど会うサイズのものを見つけた。
 太いチェーンが切れるのは、かなりの力がかかったのだ。切れた部分の駒は、ちょっと変形しており、チェーンツナギの駒を入れても、クリップで固定できなくて苦労する。
 本格的直すため、カバーもチェーンも取り外し、駒を叩いて変形を戻す。何とか修理完了。
 性懲りもなくロールに行き、外周のロールを終える。160cmのロールが、20個出来た。
 ルームミラーで顔を見るとはなしに見たら、眉間のしわが深々と・・・。