未明の事件 去勢手術 牛研き 白い物体!
夜中に、シャワーの音で目覚める。ボブとサマンサの話が盛り上がって、寝るのが遅くなったのかと思った。トイレに行くと、サマンサの部屋が明るい。女性がシャワーを浴びているのに、声をかけるのは気が引けた。時計を見たら、3時だった。
何となく気にかかり、ベッドでうつらうつらしながら、ボイラーとシャワーの音が止むのを待つ。ところが、いつまでたっても出てくる気配が無い。
もう4時だ。意を決して階下に降り、シャワールームに行く。ノックをするが返事がない、嫌な予感がして声をかける。返事がない!
「開けるよ!」
ドアを開けると、シャワーカーテンの隙間から白い足が見え、人が倒れているのが判った。
「OH! Are you OK?」
カーテンを開けると、naked Bob だった。
俺が寝た後、発泡酒を3リットルも飲んで、サマンサが止めるのも聞かずにシャワーを浴びたらしい。そして、そのまま何時間も寝込んでしまったらしい。
気がついたとき、さっさとたたき起こしてやるべきだった。
当然、朝牛舎に起きてこられるわけもない。俺とサマンサだけで行い、ついでに真由次郎と秋四郎の去勢手術も行った。 それにしても、サマンサは体力がある。
ボブは、パンを焦がしたまま、外で煙草を吸っていた。今起きたばかりだと言う。
名誉挽回のために、すぐに糞出しをしに行くと言うのを、ちょっと休ませる。糞出しは、一人でやるには辛い仕事だ。
ちょっと休憩したあと、俺とサマンサは、出荷する牛をブラッシングした。その間、ボブは糞出しをする。元気な幸四郎とカネミに手を焼いていたので、運動場に追い出して作業する方法を教えた。
しばらくして、ちょっと様子を見に行くと、ボブが立って休んでおり、大方糞出しが済んだ床に、白い固まりが落ちていた。
「なんだこれっ!」
子牛の便かと思って慌てる俺に、自分が吐いたと告げるボブ。
よく見ると、昼飯の素麺だった。
心配したゴロウが近寄ったところで、さらにthrow upしてしまい、恐れを成したゴロウは近寄らなくなってしまったそうだ。
さっさと帰って、寝かせる。
最後まで、気が抜けない夏なのだ!