臨月牛下牧 来客 裸馬乗馬 避暑地へ 

ボブもサマンサも、昨日の仕事を良く覚えていて、俺は微妙な量の指示をするだけで、あとは別な仕事をすることが出来た。
 百四郎と光次郎を入れる部屋を綺麗にして、塩素消毒した。最近もらった生菌製剤米ぬか発酵飼料を、自家発酵させた。
 3人で散歩と称して山に登り、ついでに出産間近のユキとシゲヨを、牛舎側放牧地に追い込んだ。3人いると、仕事の楽なこと・・・!

 とても可愛い、ゴンタのお客さんが来た。
 ゴンタは留守だったので、ポパイが代わりに歓待してくれた。ローズもお腹を見せてひっくり返り、撫でられて嬉しそうだった。
 久しぶりに放牧地から出てきたポパイは、山羊のジョンにたかっていたアブに襲われ、辟易していた。俺は、みんなが遊んでいる間に50匹ほど叩き殺す。
サマンサは、俺のことを『おじさん』と呼ぶくせに、可愛いお客さんに『おばさん』と言われて、ショックを受けていた。
 サマンサが、ポパイに裸馬で乗った。ポパイは、時々腹にたかったアブを足で払いながらも、サマンサを落とさないようにポックリポックリ歩いて来て、喜ばせてくれた。
 ゴンタのお客さんも、怖がりながらもポパイに乗った。怖いと言ったらすぐに降ろしてやり、また乗せる。これを繰り返しているうちに、とても楽しいと思ってくれたようだ。お父さんが、買えるのを促しても、なかなか帰りたがらなかった。

 とても暑かったので、避暑地に行った。ゴロウとカイトがいるので、とても心強かった。
 冷たい水に入ってみると、鱒がウヨウヨいた。冷たすぎてよく見ることができなかった二人のために、1匹捕まえて見せてやった。
 自分の潜水能力と魚を捕まえる能力、冷水耐性が落ちていないのが嬉しかった。

 パウンドケーキを買って帰る。サマンサの不思議なファッションに、奥さんは驚いていた。二人とも日本語を勉強しているだけに、俺と奥さんの会話のほとんどを理解していた。