市場 牧草収穫

 当番として、牛達に水と牧草を与える。引き綱を出荷用のものに替え、角に番号札を着ける。
 その後、牛を見て回っている肥育屋さんや仲買さんに話しかける。俺の牛は、配合飼料を抑えめにして育てていたので、骨盤がはっきりしていて目立つらしい。太った牛が人気の道南市場では、珍しいそうだ。ただ、それを見て、何かの原因でエサを食べられない子牛かもしれないと思ってしまうという話しは、ショックだった。市場が求める、太った子牛を育てるという、ちょっと前までやっていたやり方に、戻していかなければならないと思った。
 市場が始まった。高い牛と安い牛の差が激しい。先月、主取りした俺の元七郎は、1ヶ月養ったところ、15万円以上高く買われていった。これも、これから出荷する子牛について、考えさせられた。今回も、収容する場所が無くなったので、体重が軽い子牛を連れてきた。しかし、経営を考えると、子牛部屋増築を急ぎ、確実に大きくしてから出荷するべきだと思った。
 3頭売り、2頭連れ帰る。

 お礼の肉を買って、帰路につく。サミット警備のため、高速道路には、数百メートルおきに警官が立っていた。パトカーが何台も通り過ぎた。
 刈り倒してあった牧草を、2時からレーキで集め始めた。4時に集め終わる。すぐに、ロールベーラーを引っ張って集めに行く。時間が無いので、直径150cmにセットした。小さいのを沢山集めるより、時間が短縮できるのだ。(転がすのは大変だが)
 日が沈む前に、37個のロールが出来た。