出荷 双子早期死産 テッター 市場 風呂

 5頭も出荷するのに、全然研いていない。早起きして、まず水とエサを与える。
 昨夜、親牛達を牛舎に入れなかったのだが、明日コユキの受精卵移植があるので、繋いでおかなければならない。ところが、朝の牛達は、丘の天辺に集まって、のんびり反芻しており、呼んでも全く無視された。こんな場合は、丘の上まで登って、群ごと牛舎に追い込むしかない。
 丘に向かう途中、妊娠牛の群の中で、異変を感じた。よく見ると、カズエの尻から、紐のような物がたれている。腹を蹴る仕草もする。
「早産だ!」
カズエは8月腹だ。牛舎にモクシを取りに帰り、カズエを捕まえ、連れ帰る。手を消毒して陰部に入れてみると、とても細い足と、小さな頭があった。すぐに出そうだったが、なかなか出てこない。確認してみると、先ほどまであった頭が無い!出てくる途中で、折れ曲がったのだ。すぐに獣医さんに電話をして、子牛を押し込み戻し、頭を定位置に持ってこようとする、すると???足が4本確認できる!!!どうなっているのだ?
 獣医さんがやってきて、死産であることが確認できた。強引に引っ張り出す。カイトほどの小さな子牛だ。すでに、目が白く濁っていた。
「もう1匹いる。」
双子だったのだ。可哀想に、こちらも死んでいた。勿体ないことに、2頭とも雄だった。母牛は、年1産しかしないので、子牛の死は、経営に多大なダメージを与える。カズエは『第一花国』産子だし、子牛は『金安平』だ。期待していたが仕方ない。母牛を救えたことが幸いだ。すぐに道南タンパクに電話する。
 子牛を乗せるトラックが来てしまった。運古の着いたまま、トラックに積み込む。
「汚い牛だな〜ッ!」
どうもすいません。
 テッターをかけに行く。牧草はよく乾いていた。とても草が厚く、固まりになっているところがあった。
 コユキを捕まえるために、丘に登った。群全体を牛舎に追い込み、コユキだけを枠場のスタンチョンに繋ぐ。

今月は、市場当番の日だ。いろいろ忘れ物をしながら、一人車を走らせる。朝と晩の牛舎は、黒毛和牛のすき焼き肉を買ってくる約束で人を頼んである。ゴロウ達は留守番である。
 朝からあわただしかったので、運転は睡魔との闘いである。牛舎に入りきらないからと行って、体重が足りない牛を無理矢理持ってくるものではない。標準である300kgを超えた牛は、元七郎1頭だけだった。反省。牛達に、牧草をやり、ブラッシングをする。
 久しぶりに、高級黒毛和牛炭火焼き肉を食べた。美味い!
 温泉に行くという今金町の生産者に連れられて、浴槽というものに、すごく久しぶりに浸かった。いつもはシャワーか、タライなのだ。気持ちよかった。