切り草 チャッカリ脱走 受精卵移植 地均し メガネを壊す

 朝牛舎に行くと、幸四郎とカネミのバケツがいつも放り出してある。小さすぎて、何度も補給してやるが、夜のうちに空っぽになるのだ。エサの食いもとても良いのだが、狭すぎるので、敷きわらを替えても替えても追いつかない。
 子牛全頭に水をやった後、切り草を作るところから始めた。サイレージと乾草の切り草をそれぞれ作り、配合飼料と混ぜて与える。
 サイレージの切り草を混ぜることで、混ぜ込む切り草の量が多くても、残さず食べるようになった(ような気がする)。

まだちょっとからだが重い。腰を曲げながら家路に着くと、視界の隅に見えないはずのものが・・・。馬の放牧地上、北山採草地を黒い物体が走っている。脱柵である。ビクターが、電気牧柵を跳び越して、チャッカリ食べているのは知っていたが、牛の群に襲われたら、採草用の牧草が無くなってしまう。急いで急斜面を登る。
 居たのはモトツボとマサコの2頭だけであった。柵は壊されていない。崖すれすれの藪の中を突っ切ってきたのだ。ボス牛モトツボであるが、なぜか牛達の人気は無い。これが、第2位のモモカだと話が違う。脱柵名人であると共に、牛達の人望が厚いので、群全体を引き連れてとんでもないことをしでかす。柵が完全でないので、現在は妊娠牛の群に放さず、夜は牛舎でダイエットさせている。
 先日見たときは、モトツボはとても痩せていたのだが、今日はとても丸くなっていた。時々ダッサクして、チャッカリ食べてたのであろう。
 コユキに受精卵移植をした。卵は『安福165の9→平茂勝』だ。自前の卵だが、留まってくれよ!

 ラップサイレージを増産することにしたので、その置き場を作りに行った。ラップサイレージは、ベールグリッパーという専用の装置がなければ、持ち運びが出来ない。普通のフォークで刺すと、穴が開いて、すぐに使ってしまわないと黴びてしまう。俺のように、ラップする数が少ない人間は、積んだりしないで、平らなところに平置きする。ところが、俺の家には平らなところはほとんど無い。
 俺は、一人でラップして、それを転がして密集しておくので、若干傾斜があった方が楽である。去年のように、ラップを厚巻きすると、資源の無駄なので、出来るだけ整地して、多少薄くても穴が開かないようにしたい。
 2mほど段差があったところを、ユンボで崩して、排土盤で押しで均していく。急いでやったので、大まかな傾斜地は出来たが、師匠に
「均したんだか、荒らしたんだか判らないな〜!」
と言われそうな出来映えだった。
 もっと時間をかけて、丁寧にやればいいのだ。ところが、ブヨが出てきて、叩いたところ、メガネが壊れてしまった。『そんな馬鹿な!』って思うが、フレームは俺の激しい使い方について来れず、くたびれきっていたのだ。たぶん溶接が出来ないタイプなので、金がかかりそう(T_T)/~~~
 コユキは、夜牛舎に帰ってこなかった。また、妊娠牛の所に行ったのだろう。ヤスヒメが好きなのだ。怪しい二人・・・