ハルゼミ 和牛密輸事件

 昨日は、頑張りすぎた。仕事の終わりに、ふとした拍子にプチギックリ腰になった。朝からコルセットのお世話になる。
 気温が上がり、今年初めてのエゾハルゼミの声を聴いた。ここしばらくなりを潜めていたオオジシギも、昨夜ディスプレイ飛翔をしているのを聞いた。カッコウが鳴き、田植えも始まった。季節は確実に進んでいる。

 妊娠牛に紛れ込んでしまったコユキを探しに行った。あっちこっち探したが、前山てっぺんで寝ているグループの中にいた。ヤスヒメのことが好きなようで、他の牛達が牛舎側に帰りたがっている中、エサの少ない妊娠牛放牧地の方に何度も脱柵していく。明日、受精卵移植をするので、どうしても連れ帰さなければならないのだ。
 と言うことで、腰を押さえつつ、急斜面を走り回ってしまった。

 何気なく観ていたニュースで、カニの中に黒毛和牛肉を隠して、中国に密輸する事件が流れていた。すごく良い肉だ!豊かになった中国では、和牛の人気が高まっているそうだ。そして、和牛として売られている肉の多くは、中国やオーストラリアの偽装肉らしい。
 素朴な疑問として思ったのが、なんで普通に輸出できないのだ?日本の牛肉は、全頭検査をしているので、世界一安全だ。穀物価格の高騰と、景気悪化のため国内での牛肉の価格は低迷し、農家は苦しんでいる。
 キチンとしたルートで販売する仕組みを確立しないと、やがて本物の黒毛和牛が中国にも持ち出され、大切な国の財産が失われてしまうのでは無かろうか?
 すでに、オーストラリアには、沢山の黒毛和牛が持ち出されて飼育されている。種雄牛までいて、アンガスなどの肉牛との交雑種が、生きたまま日本に輸出されて、国産牛として売られているのを、ご存じだろうか?
 アメリカでは、遺伝資源をとても大切にしている。農産物の種の巨大な輸出国であるアメリカでは、トウモロコシなどの種も、すべて交雑種として販売している。出来た植物から種を捕っても、元の美味しい植物は出来ないのだ。種で、世界を支配しているのだ。
 黒毛和牛は、世界で唯一、煮たとき柑橘系の香りがする脂肪酸を出す、世界一美味しい肉なのだ。この大切な遺伝子資源や、肥育技術を守ることが、日本国民にとってとても重要であると思う。