女装馬 ローズの一歩 

 朝一番にポパイをとオリーブを捕まえ、引き綱の着いたホルターを着ける。オリーブはそのまま、ポパイは注射をして、女装要員として畑に放す。注射されるのは痛いだろうに、逃げもせず大人しい馬だ。引き綱を着けたまま放すのは、走ると危険であることを知っているので、動きが慎重になり、隣を襲ったりしないためだ。


 元鶏小屋がとても気に入ったローズは、中にあったがらくた(鳥のエサ箱など)や嫌いなタマネギなどを外に放り出していた。綺麗好きなのだ!体を半分だけ出して外を見ていたので、ジャガイモを使って外におびき出す。意を決して一つ食べたら、すぐに小屋に帰っていく。もう一個!2mくらいは出たであろうか?まだ、雑草を食べるには至っていない。

 糞出しを頑張った。肘の腱鞘炎は、なかなか治らない。
 道が乾いたので、妊娠牛達にボロイ2番草を運んでやった。みんな喜んで走ってきたが、とても不満そうだった。ゴメン!いい草は残り少ないのだ。
 夜牛舎に、モモカとサトコが帰ってこなかった。すでに真っ暗だ。晩飯を食べた後、懐中電灯を持って探しに行った。驚いたことに、雨でもないのに牛達は開放牛舎に集まって寝ていた。しかし、その中にサトコとモモカはいなかった。
 妊娠牛達の群の方に行ったが、広大な放牧地の何処に牛がいるのかさえ判らなかった。諦めて帰る。
 空には星が瞬いていた。流れ星が無いかな〜と思ったが、今夜は見えなかった。でも、昨年の今頃、巨大な流星を見つけたので、将来俺は億万長者になるはずである!