鼻紋採り サトコ出産 誰かが発情! メガファームの写真

 作業服などを洗濯機にぶち込み、娘を起こし、朝食を食べさせて、保育所の準備をして送る。娘はとても協力的で助かった。

 洗濯が終わった衣類のうち、大物だけはロフトに干し、小物は乾燥機に乾かしてもらう。男の家事なんて、こんなモノ(?)だ。

 朝牛舎をやっていたら、サトコの陣痛が始まった。とりあえず、昨日綺麗に掃除したスタンチョンに繋いで、通常作業を続行した。つなぎ牛舎の子牛たちを、パドックに出してやる。
 子牛の鼻紋取りに、農協の人が来た。俺はすっかり忘れており、登録も終わっていない子牛がいたので、不味かった。
 子牛用ミルクの配達にも別の農協の人が来てくれ、クミカン報告書を届けてくれた。経営分析をしてもらい、頑張っていると言ってもらえた。
 
 牛舎内に戻ると、サトコは二次破水を終え、すでに足と頭が出ていた。慌てて敷きわらを敷き直し、引っ張り出す。予定日を一週間遅れたので雄だと信じていたのに、牝だった。父が『藤平茂』なので、名前は何となく『ふじこ』に決定。
 サトコは母性本能が弱く、最初の2産は蹴って全く子牛を近づけなかった。3産目にようやく、俺が体を張って子牛を守り、母乳を吸わせるのに成功した。
 今回も、出産後子牛を遠巻きに見ていただけだったのだが、EMボカシを子牛に振り掛けてやったら、だんだん舐め始めて母性本能がわき上がってきたようだった。フジコは元気がよく、すぐに立ち上がった。人工初乳を2袋飲ませ、布団を掛けてドライヤーで乾かす。毛布を掛けてドライヤーを使うと、暖かい空気がこもって、子牛の体が暖まり乾きが早いのだ。布団は今回が初めてだった。布団の入り口に、胎便が付着しているのに気がつくのが遅かった。
 気がついたら、俺は運古まみれになっていた。子牛に牛衣を着せ、俺は家に帰り、洗濯に勤しむ。予洗いをキチンとして、浴槽が汚れないよう気をつける。

 昼過ぎ頃から、携帯電話が見あたらない。どこへ置いてしまったのだろう。ちょっと嫌な予感。
 
 娘が保育所から帰る前に、夜牛舎を終える。妊娠確認が取れていない親牛達の顔を見て、放してやったところ、出口付近でマウンティングしようとした牛がいた。慌てて追いかけるが、暗闇に黒毛和牛では、誰だか確認が出来なかった。
 
 娘は、晩ご飯を待つことが出来ず、焼き芋を1個とミカンを食べ、牛乳を飲んだ。しかし足りなかったようだ。大きな音がして顔を上げたら、娘が椅子を登ってテーブルの上にあった牛乳パックごと落ちてきたところだった。こういう時、普通は大泣きして、親は心配するものなのだろうが、娘はビックリしただけで、全然平気である。悲惨なのは、テーブルのした一面に牛乳がこぼれ、服などが濡れてしまったことだ。
 またしても、洗濯をすることになってしまった。
 妻が帰宅する直前に、娘を布団に入れることが出来たが、今夜は抱っこを要求することなく、素直に布団に潜って寝てくれた。
 
 妻が帰宅した。妻の友人はメガファームの奥さんで、農場を見学し、写真を沢山撮ってきた。我が家の100倍以上の規模だが、いろいろ参考になる工夫が随所にされており、我が農場発展に役立ちそうなものが多数あった。