天国に一番近い牧場 モモカ出産 

  今日は、頑張っていろいろ仕事をしたのだ。
 早めに済ませた朝牛舎の後、アバラ牛舎の中を整理して、はんぺん型巨大ブロックを並べた。入り口近くのは、チビ子牛のカーフハッチに、奥は大きな子牛のフリーストールの寝床になる予定。
 重いので、一人で運ぶのが大変だった。大きさは、180×120×30cm鉄筋無しコンクリート製。手荒に扱うと、割れる。
 
 畑に放牧中のローズだが、作物も雑草も食べ尽くし、雑草の茎を集めて造ったベッドは雨ざらしで、最近壁際にビニールで新しいベッドを造ったようだ。明日からの雪で風邪をひいては可哀想なので、大きな土管を持ってくることにした。以前入れてやった土管はお気に召さなかったようで、ころがして遊ぶオモチャになっている。
 平らな所など無い我が家では、土管は妻が数年前に造った落とし穴(馬場にするため平らにしようとして掘りすぎた)の上にある。常日頃、4WDのトラクターが、3輪車になることに慣れっこになってしまった俺は(片後輪が浮いている)、ある部分神経が麻痺しているのかも知れない。
 こうなると、天国は限りなく近くに存在するようになるのだ。メイントラクターのM8030が入院中な為、重りが無くタイヤもすり減ったM7950DXで足場の悪い落とし穴横を、重たい土管をとるために地均ししながら作業中、事件は起こった。
 タイヤが滑り、アラッと思うまもなくトラクターは落とし穴の中に吸い込まれていった。俺は、傾いていく景色の中、安全フレームから飛び出さないように態勢を整えながら、衝撃に備えた。でも
 痛かった!
 ユンボで救出に行くが力が足りず、救出どころかキャタピラが外れてお邪魔虫になってしまった。悪態をつきながらキャタをはめる。結局、機械屋さんの大型ユンボで助けてもらった。
 
 こんなことをしている間に、モモカは牝子牛を出産した。名前は『ふゆか』。妻が、ドライヤーで暖めながら、子牛をさすってくれた。(写真は、可愛いアイコ)

 金属屋さんが来て、あばらD型の不要な2本の鉄骨を、切断して持って行ってくれた。俺の作業が減るのでありがたかった。

 同じ時刻に、生協のトラックが来て、発泡スチロールの箱を返したり・・・疲れた。
 しかし、オイル漏れしたM7950DXのオイル交換をして、牛達に牧草を運ぶことはさぼれなかった。