ミノリ出産遅れる ローズ放牧への抵抗 カメ虫の季節

 初産のミノリの出産が、10日遅れている。ミノリは『勝忠平』の娘だ。見た目に腹が大きく膨れているワケではないが、お産が遅れると胎児が大きくなりすぎ難産になる。今年1月には、それで1頭亡くしている。
 内診してみると、たしかに胎児は入っているようだ。早く生まれるよう、ハンドパワーを送っておいた。
 
 子牛が増えてきて、ローズの部屋をどうしても空ける必要があった。ローズ冬ごもり用部屋の建設予定地をユンボで均し、雨水が流れるルートを作った。
 ローズは、電気牧柵の恐怖を知っており、放牧地(家庭菜園)周囲を囲んだケーブルを見て、入り口に近づこうとしない。ベニヤ板や機械で逃走経路を塞ぎ、えさで釣りながら誘導したが、直前で豚走され部屋に戻られてしまった。よほどこの部屋が気に入っているようで、なかなか出ようとしない。心を鬼にしてプレッシャーを強め、20分ほどかかってようやく追い込むことができた。
 畑には、ズッキーニやアシタバ、ナス、トマトなどが植わったままなのだが、箱入り娘のローズは、ゲート近くの草の生えていないところから動こうとしない。ヨーグルトや芋を持って誘うと、勇気を振り絞って食べに来たあと、さっさと元の場所に帰ってしまう。慣れるのには時間がかかりそうだ。
 
 今年は急激に気温が下がったので、カメムシの襲来がある前に冬が来るのかと思ったのだが、甘い幻想だったと思い知らされる。家の窓一面に、無数のカメムシが集まり、夜になるとアカリの周りにカメムシが飛び回る。不注意に布団に寝ると、強烈な一発をお見舞いされる。
 俺は例年通り、『カメツボ』(石鹸水を入れた瓶)を用意してカメムシを捕まえて回る。界面活性剤で、臭いを出す間もなく水没するのだが、こぼすと悲惨である。