未だ2番草収穫終わらず 雪虫

 予報では、今日も晴れる予定だった。12頭もいる哺乳子牛の授乳や、ヘイネット吊し、水やりなどをして、あとは妻に任せてテッターかけに出発。
 尾根筋の我が家の草地からは、周囲の景色がよく見えるのだが、奥尻島付近に大きな雨雲がかかっており、瀬棚沖の積乱雲からは竜巻の目(小さな漏斗状の出っ張り)が見えた。
「晴れろよな〜〜〜!」
と言ったら、奥尻の雨雲は太櫓岳を通って遊楽部岳の方に移動していった。瀬棚沖の積乱雲は、そのまま海上を北上した。
 たまには、運のいいことがあるモノだと思い、テッターをかけ終え、午後からレーキをかけ、ロールできると思っていた。
 
 しかし、実際俺はあまり運がいい方ではない。昼飯を食べて、疲れた体にむち打って仕事に行こうとしたら、雨が降り始めた。午前中の仕事が、パーである。がっくりきて、ふて寝する。
 
 目を覚ましたら、空は快晴である。一度は諦めた収穫作業を、性懲りもなく再開しに行く。日差しの中、雪虫が飛んでいた。もうすぐ雪が降るのだ。
 草地に行ってみると、地面は濡れているが、新芽の上にふんわり乗っかった牧草は、意外と乾いている。面倒なので、かびるのを覚悟で、外周だけレーキすることにした。完璧な牧草など必要無いのだ。量さえ取れれば・・・。
 滑る急傾斜の地面で作業していたのだが、もうちょっとというところで、またベルトが切れてしまった。