朝牛舎欠席 休養日

 ひどい吐き気と頭痛で、行かなきゃならない気持ちにさいなまれるのだが、起き上がることができなかった。同じく具合の悪い娘のお守りをして、朝牛舎は欠席する。3人の中で一番体調の良かった妻が一人牛舎に向かう。
 布団の中で娘と、寝るでもなく、遊ぶでもなく、ただただ横たわって一緒に過ごす。哺乳子牛が多いので、妻は3時間かかって作業を終え、戻ってきた。
 
 最近、忙しくてコンビニ弁当とパンばかり食っていたが、久しぶりにキノコ入りカルボナーラ風スパゲティーを食べた。このところ食欲のなかった娘の目の色が変わり、むしゃむしゃと食べる。
 
 天気も悪いので、午後からもゆっくり過ごした。
 
 夕方、久しぶりに炊飯器をセットして、牛舎に今度は俺一人で向かう。急激な気温の低下により、全体的にちび子牛たちの食が落ちている。検温したりして、体調観察を丁寧にする。さらに臨月に入った初産の母牛をスタンチョンにつないで、胎児の発育に栄養をとられて、母牛自体の成長が損なわれないように、良質の牧草を特別に与える。
 
 帰宅すると、娘が吐いたとの報告を受け、靴も脱がずにスポーツ飲料を買いに走る。娘は声がしたのに俺の姿が見えないので、泣いてしまったらしい。山は激しい雨が降っていたのに、町に下りたら、地面が乾いていた。
 昼間の娘の食欲に感動して、久しぶりに手料理しようと準備してあったのだが、娘は腹の調子が悪く、食べられないという。それでもいつものくせで、野菜も肉も細かく切ってしまった。
 意外と元気に白飯にも手を伸ばす娘だった。少し安心する。