みつひらしげ出産 Q太郎廃用? ひたすら牧草収穫

 昨日売れた『蜜四郎』の母親、みつひらしげが産気づいた。俺は牧草収穫に行きたくて焦っているときだったのだが、1次破水し、足胞が見え2次破水したまま、なかなか先に進まない。
 逐一妻が報告してくれていたのだが、やはり助産が必要と判断し、手を消毒して陰部に入れる。前足も、顔も確認できた。産科チェーンで、かなりの苦労をして引っ張り出す。
 大きな雌仔牛だった。逆さ吊り(羊水を吐かせ、頭に血が上るようにする)するのも一苦労だ。体全体にEMボカシをまぶし、母牛になめさせる。母親が気が立っていたので、妻が作った初乳を俺が飲ませる。子牛は一息に飲み干した。後は母牛に任せてトラクターで出発!
 
 その後、具合が悪かったQ太郎のために獣医さんを呼んであったのだが、妻が応対した。診断の結果、慢性肺炎になっており、将来の見込みが無いとのことだった。次に具合が悪くなったら、治療しても治る見込みがないと宣告された。
 以前、カツヨという名血の牛が慢性肺炎になったことがある。育たないと言われていたが、平茂勝の血か?とても大きく育った。被毛も安福165の9の血でとても綺麗だった。世話をした分だけ人懐っこかったが、相場の半額で買われていった。Q太郎は、この冬を越せるだろうか?
 
 俺は、そんなこととはつゆ知らず、ひたすら牧草収穫作業を続けていた。フットアクセルが効かず、ハンドアクセルだけになったフォードにロールベーラーをつけて作業したのだが、エンジン回転が上がらないのと、ストリングカッターがやはり使い物にならないので、作業性が悪くて仕方ない。
 猛烈な草煙に包まれながら、操作性の悪い機械作業は神経をすり減らす。途中から、レーキを着けたクボタで、乾草を列に集める。昨日折れた腕は、新しい物に取り替えてある。さらに地面を擦らないように設定したので、集め残しも多くなる。しかし、壊すよりマシである。暗くなるまで作業した。
 
 その後、牛舎に直行して夜牛舎作業。今日も弁当を牧草の上で食べた。エサとミルクと娘の子守りを分担して行う。モトツボが良い発情をしていたが、出産後30日経っていないので、今回は諦める。
 予定日を過ぎたモモエは、未だ産まれそうにない。
 脱走して隣まで遊びに行ったモモカは、とうとう木に繋いでしまった。可愛いのだが、気持ちのゆとりがないときに、執拗に脱走されると困ってしまう。
 
 今日も泥だらけなので、娘とすぐにシャワーを浴びた。娘は、たらいの中で遊ぶのがとても気に入り、肩まで浸かって楽しそうに歌っている。
 3人で、助け合って必死に生きている。こんな時
「Yoneちゃんは、たくさん食べて元気なんだから、もっと頑張れるはず!○○(妻の名)を手伝わせないで!」
等と言われると、がっくりくる。
 これでも、出来得るなら3ヶ月くらい入院して、休養を取るように医師から言われている身だ。うつ病患者に、もっと頑張れ!もっと頑張れ!と言うことは禁句であることを知っているだろうに・・・。