娘、診療所へ

 相変わらず俺の体調は悪い。頭も重いし。でも、吐き気はおさまったから、つわりではないらしい。ちんたら、汗をかかないように、糞出しをゆっくりゆっくりやった。
 お産をひかえたカズエちゃんの周りを、特に念入りにキレイにする。
 先日逆子を死産したアヤが、妙にほえながら牛舎に押し入ってきた。発情かと思ったが、粘液も出ていないし、牛舎に入ったら、ほかの牛にマウンティングするわけでもなく、牧草食ったりのんびりしている。しっぽの付け根にテールペイントを塗って、追い出す。
 性懲りもなくまた舞い戻ってきたシゲヨと、先日やっと種がついたミカンを、妊娠牛放牧地に連れて行く。
 糞出しは午前中で完了したが、体がだるい。
 
 娘もたぶん同じ風邪で、熱は出ないが鼻水がダーダー漏りだし、かなりしんどいのではないかと思い、妻が診療所に連れて行った。
 大人でも、これほどだるくて、今日は午後予定していた仕事ができなかったぐらいだから、小さな娘には、さぞつらいだろう。
 
 夕方、保育所から帰ってきても、いつも聞き分けのいい娘がだだっ子の頑固ちゃんだった。いつもは数秒で泣きやむ娘だが、今日は泣いてる時間が長かった。
 今日の風呂は俺が入れたが、このときはすごくご機嫌で、よく湯船に浸かっていた。冷えないように温かいシャワーをかけ続けた。風呂から上がったら、非常に機嫌が悪くなった。
 
 晩飯はクレープだったが、娘はご飯が食べたかったらしく、泣き出してしまった。妻が、作り置きして冷凍してあったおかゆをあわてて出したら、大喜びでおかわりして食べた。小さくても一人前の日本人だ。
 
 寝るときも、今夜ばかりは俺と妻で交互にだっこして、子守歌を唄って寝かした。