猛暑 漁り火祭り

娘のてるてる坊主のせいか、太平洋高気圧の勢力が増し、停滞前線を北に押し上げてくれた。朝から快晴で、気温はぐんぐん上昇し、数分おきに扇風機の前に立たないと仕事にならなかった。
 長雨で湿った大地から、どんどん水蒸気が立ちこめ、風通しの悪い部屋にいる子牛などは、汗で濡れていた。床もあまり使用していないスタンチョンも青カビだらけだ。
 これまで扇風機に当たれなかった瓜三郎の部屋にも、家庭用扇風機を取り付けてやった。ぼろくてなかなか動かず、壊れて動かないのか?電気の接触が悪くて動かないのか?判断に困ったが、たこ足配線のコンセントの差し込み口が緩くなっていただけだった。
 
 双子のハナエとスミレは、大型扇風機の風を間接的に浴びることができ、とても元気になった。俺を見て跳んでくる。ミルクも2リットル飲み、フードボトルにも食らいつく。
 Qちゃんは、1日前に生まれた果穂次郎に比べて、体の大きさが一回り小さく(生まれたときから)、体高もかなり低い。ミルクを飲むのも遅いのだが、果穂次郎の性格がおっとりしているために、虐められることなく仲良く暮らしている。
 角の折れた幸三郎は、来月出荷予定の島次郎に虐められ気味で、エサの枠の中にさえなかなか入れない。仕方なく1頭だけ連れ出して、スタンチョンに繋いでエサを与え、糖蜜液を飲ませたり、ブラッシングしたりして、少しでも食べ始められるよう心配りをする。大切な期待の子牛なのだ。
 出産予定日を過ぎたアヤであるが、ようやくオッパイも張ってきて、そろそろ出産だ。
 
 汗まみれ、糞まみれのまま、娘を向かえに行く。娘も汗まみれで、妻とシャワーに直行!昼寝をさせようと努力したが、娘は頑として寝なかった。俺が先に寝てしまう。
 機械屋さんから電話があり、40万円以上かかると言われたフォードのPTOクラッチ修理だが、原因は別にありそれほどかからないと聞いてホッとする。
 
 友人のお誘いもあり、漁り火祭りに行く。保育所や役場関係の人たちも、出店を出して祭りを盛り上げていた。以前は俺もスタッフとして参加していたが、今ではそんなゆとりもない。
 当然だが、沢山の顔見知りに会い、久しぶりに外の空気に触れた。有機合鴨米のおにぎりや、ウニ飯、イカ飯などを買って晩飯とする。
 
 一旦帰り、夜牛舎だ。一番の気がかりは、幸三郎だ。いいエサ枠に入れるようにして、少し食べるようにしたのだが、しばらくすると追い出されている。糖蜜液入りの哺乳瓶で誘って端っこのエサ枠に入れてやり、しばらく食べるのだが、作業を終えるころにはまた追い出されていた。
 
 空は快晴で、天の川がハッキリ見え、ペルセウス流星群の走りと見られる流星がいくつか見られた。漁り火祭りの花火は既に始まっていたので、大急ぎで馬場山に向かったのだが、到着直前に最後の1発が上がってしまった。