脅威のてるてる坊主 重力には逆らえない

 刈り倒したままの牧草だが、雨がことごとく我が家の草地を避けて通って行ったため、あまり痛んでいなかった。予報によると、今日も明日も雨で、腐ってしまうところだったのに・・・。ほどよく食味の落ちた、妊娠牛にちょうど良い牧草になっていた。
 問題は、干上がった溜め池にも水が溜まらず、沢山の牛達が金魚の池の水を飲み始めたことだ。このまま雨が降らなかったら、この池もやがて干上がってしまうだろう。
 
 今日は土曜日なので、午前中に糞出し作業なども全部済ませ、午後からはユックリ過ごすことにした。
 妻は、エサやりが終わったら帰って寝るように言ったのに・・・。俺は、作業を止めてしまうと、続きが出来なくなってしまうから一気にやっつけてしまおうとしているのだが、それに付き合って疲れてしまっては、娘の休日を乗り切れないではないか!
 娘を連れ帰ったあと、すぐに飯を食ってテッターに行きたかったのだが、娘を寝かしつけていたら、俺が寝てしまった。2時頃に起きて、獣医さんを呼んであったことを思い出し、畑を耕しながら待つ。
 先週妊娠鑑定をして貰っても判定できなかったアキコとマユコだが、今回も判らなかった。
 
 ユンボを引っ張り出し、堆肥の切り返しをした。堆肥舎内に広げて、ロータリーをかける準備をした。水分が抜けていい感じになっていた。毎日糞出しをするようになって、敷きわらの含有量が多く発酵が早くなった新しい堆肥の方は、いったん山を崩して、もう一度積み上げた。猛烈な湯気と熱気がトラクターを包み込んだ。
 
 夜牛舎に行くのに、娘を歩かせてみた。行きは下りなので、どんどん加速がついて約200mを歩ききった。こんなに歩いたのは初めてだ。電気牧柵のケーブルが切れて、臨月のアヤとツボミが遠くの放牧地に行ってしまっていたので、娘を背負ったままケーブルを繋ぎ、アヤの鎖を引っぱって牛舎側の放牧地に返したが、他の妊娠牛達が一斉に着いてきた。娘を背負っているので、一応牛に曳かれないように気をつける。モクシを着けていないツボミは捕まえるのが無理かと思ったが、持っていたロープを首にかけて引っぱることが出来、無事救出。ちょっと甘いエサをやると、生まれる子牛が大きくなりやすいのだ。
 
 帰り道、娘は坂を登ることが出来ず、坂道をどんどん下っていく。お隣に行ってしまうぞ!