救急車騒ぎ

 朝から頭が痛く、調子が出ない。日曜日なので保育所はお休みだ。久しぶりに、背負ったまま牛舎作業し、トラクターに乗って牧草ロールを放牧地に置いてやる。
 そのまま、刈り取った草地に行き、娘を背負ってテッターをかける。既に6回ぐらいかけているのだが、完全に乾いているところと、木陰になり全然乾かないところがあった。
 娘は、轟音と振動の中、あっという間に寝てしまった。クボタの屋根は、1昨年前の強風で飛ばされてしまい、まだ取り付けていない。炎天下の中、娘の顔が上を向いて日に焼けないよう、不自然な姿勢で作業し続けた。頭痛に肩こり・・・(-_-;)。
 
 午後からもテッターをかけるのが当然なのだが、久しぶりに疲れ切ってしまい、昼寝を決め込む。・・・
・・・突然、
「Mikiちゃんが大変だ!Yoneちゃん来て。」
という声に仕方なく起きていくと、妻が倒れていた。頭を打っているようなので、あまり動かさずに意識がしっかりしているか確かめる。とりあえず、どういう作業中に、何があったのか説明してくれた。そのうち、起き上がって家に帰った。
 ところが、再び起きだしてきて、
「いったい何が起きたの?どうしてこんなに頭と足が痛いの?」
と聞かれてビックリ!説明しても、すぐにまた聞き返す。脳震とうをを起こし、意識が混濁しているのだ。とりあえず寝かせ、安静にさせる。
 知らせを聞いて義弟夫婦もやってきて、病院に行くことを勧める。しかし、八雲総合病院に電話をかけたら、頭を打っているのに安静にしないで自家用車で運ぶのは危険かも知れないと言われ、結局救急車を呼ぶことになってしまった。
 
 救急で運ばれたのは、北桧山国保である。医療問題で米村は有名らしく、
「テレビに出てましたよね?」
と、先生に2回ほど聞かれた。早速、放射線技師の方が呼ばれ、高性能なCTやレントゲンを撮ってもらい、脳にも足の骨にも異常が無いことが診断され、安心して家に帰ることが出来た。こういう時、患者が欲しいのは『大丈夫ですよ!』という安心感である。
 
 義弟夫婦が来てくれている間に、夜牛舎を急いでやった。頭痛はするが鬱の状態が悪いわけではないので、休まずすみやかに牛舎作業を終える。帰ったらいい匂いがしていた。晩飯を作ってくれたのだ。

 「私の体を気遣ってくれるような状態では無さそうだね。」
頭を押さえている俺への言葉だが、反論のしようもない。それでも、久しぶりに娘を風呂に入れた。娘を寝かしつけるのは俺の仕事だ。シャワーを浴びていない俺が、娘の脇で横になるのは、衛生的でないな〜と思いつつ・・・。夫が、自分のやった家事を挙げているうちは、大してしていないことが多い。