姫君達の帰宅 ロールの続き 運搬 涙雨

 早朝、姫君達は布団やベッド、枕のカバーを洗い、最後の朝牛舎をして、荷造りしていた。立つ鳥跡を濁さず!妻に、後片付けの手間をかけさせない優しい心遣いだ。誰の教え子だ?
 俺は何となく起き、万力と金槌で切れたベルトを繋ぐ部品を固定する作業をした。仕度の済んだ姫達を八雲まで送る。今回、俺を一番ジンとさせた言葉は、
「私達は(学生の時)楽しい授業をしてもらったのだから、その時の貯金があるんだよ。」
だ。なかなか人の弱点を突いた、泣かせる言葉だ。情熱を傾けて教えた甲斐があった!
 
 急いで帰り、ロールベーラーのベルトを繋ぎ、残りの牧草をロールする。収穫できたのは、32個だ。
 
 そのまま、トレーラーを引っぱり借地に残したロール23個を回収に行く。途中、トレーラーを引っぱる友人のトラクターに会う。雲行きが怪しいので、みんな必死だ。2往復して全部回収し、夜牛舎を始めたところで雨が降り出した。慌ててトレーラーからロールを倉庫に運び入れる。
 とりあえず、56個の早刈り乾草が倉庫に格納できた。昨日と今日ロールした67個は草地に置きっぱなしだが、ロールしてしまえばあまり痛まないのだ(長雨だと困るが)。
 屋根のないトラクターで作業したため、ずぶ濡れになってしまった。
 
 肉屋さんから『黒毛和牛』すき焼きが届き、食べきれないので義妹親子を呼んで一緒に食べた。娘は絶好調で、俺は自分が食べる暇もないほどだった。