さらに最悪な体調 テッター3回 親孝行な娘

yonemiki2007-06-10

 目覚めは最悪だった。全身が痛く、喉は焼けるようだった。頭には糠味噌が満タンで、寝ていること自体が苦痛である。
 突然、
「ハイ!」
と手をあげて、娘が目覚めた。朝からご機嫌である。いつまでも寝ている俺の所に来て、優しくトントンと叩いて元気づけてくれた。
 妻の作った朝飯をいただいたあと、3人で牛舎に行く。娘は、ベビーカーの上で待つことにそれほど抵抗を感じないでいられるようになった。
 
 エサと水と牧草だけやって、俺はテッターを修理して刈り取った牧草の反転に行った。刈り取り機のモアコンディショナーは、刈り取ったあとに叩いたりローラーで草を潰したりして、乾きやすくするのだ。俺のモアコンディショナーで刈り取ると、牧草の3カ所くらいに潰れたあとが出来る。ここから水分が抜けるのだ。
 
 今日のテッターは、鋼鉄の爪で刈り取った牧草を掻き上げ、反転させる作業だが、その度ごとに1カ所に牧草に傷がつき、何度もかけることで乾燥を早めることが出来る。牛の師匠は、1日に4回もテッターをかけ、誰よりも良い乾草を作っておられる。
 俺も以前は日に4回テッターをかけていたが、今は精神的肉体的に余裕が無くなってしまった。今日は、頭痛と喉痛に悩まされながらも、なんとか3回のテッターをかけることができた。明日は、和牛改良組合の勉強会があるので、あまりテッターをかける時間が取れないらしい。
 
 夜牛舎も3人で行ったが、突然娘が
「お父さん!」
と、ハッキリ発音した。これまで、父ちゃんにしようか、お父さんにしようか、パパにしようか迷っていたため、上手く覚えられなかったようだ。昨日、お父さん・お母さんに統一しようと話が決まった途端の出来事である。
 明日は、町内の和牛生産者が各農家の視察をするのだが、俺はいつもよりさらに汚い子牛部屋と子牛を見せることになり、ちょっと恥ずかしい。
 
 寝る前に、娘は妻と一緒に歯磨きをするのだが、最後に『お母さん研き』と言って、隅々まで研いてもらうことになっている。娘はこれが嫌いなのだが、今日は素直に研かれながら、妻の歯を磨いてあげていた。