アキコ種付け 八雲行き 娘・大ブレーク 楽しい食卓

 娘は、目覚めたときから、確実に昨日とは違う力強さがあった。昨日まで、随分元気になったと思いつつ、お粥や柔らかいうどんなどを食べさせ、妻が24時間着きっきりで看病した甲斐があったようだ。
 獣医さんに、病院に行くことになったので、早めに来ていただくよう電話する。窓の外を見ると、急斜面の放牧地で、スタンディングしている牛が見えた。双眼鏡で覗いてみたが、大きさやモクシなどから、アキコと推定。
「ほい、ほ〜い!」
と声をかけると、急斜面を牛の大群が真っ直ぐ駆け下りて来るのだが、その姿は圧巻だ。斜面の途中に立っていようものなら、跳ね飛ばされるのではないかと心配になり、脇に身をかわすものだ(牛は、やりかねない)。
 牛舎に入れるが、決定的証拠である粘液が出ていない。昨夜かえってこなかったモモカがいたので、2頭を牛舎内で放したのだが、俺が見ているのが恥ずかしいらしく(アキコはシャイなのだ)、スタンディングは見せてくれなかった。
 獣医さんが来るのが遅くなったので、排卵確認のマユコ(昨夜、排卵誘発剤を注射した)、アキコを枠場に繋ぎ、妊娠確認のナミコは、俺が立ち会えないので放して、病院に出かけた。
 
 車中でも、病院でも、娘の元気さは目を見張るものがあった。元気になった娘は(騒がしいわけではない)、どこに行っても
「可愛らしいあかちゃんね〜!」
と声をかけられる\(^O^)/。周りに、赤ちゃんなら沢山いるのに・・・。やっぱり可愛いのだ(親バカ)。
 頭の診察といっても、頭に聴診器を当てて、金槌で叩いてみるような、野蛮なことはしない(頭に注射も刺さない)。俺の心の負担になっているところを、カウンセリングで解きほぐしてもらうのだ。かなりの時間をかけて、いくつかの俺の悩みを、明るい方向に導いてくださり、終わったときはかなり気分が楽になっていた。
 
 お昼をだいぶ過ぎており、娘は蒸しパンをタップリ食べた後だった。食堂に行き、
「かけうどんと、ざるラーメン・・・。」
と言ったところで、店員さんは厨房に行こうとしたのだが、
「・・・とあんかけ焼きそば!」
と声をかけたら、ビックリしておられた。1歳児と夫婦で、3人前を注文する人は珍しいのだろうか?うどんはとても柔らかく煮てあり、娘にちょうどよかった。昨夜から使えるようになったフォークで、突き刺してもらったうどんを嬉しそうに食べ、無邪気なアクションをして俺たちを喜ばせてくれた。
 野菜の苗を、少しだけ買い増しした。娘のために、美味しい野菜を作るぞ〜!
 
 牛舎に寄ったら、獣医さんから丁寧な手紙が置いてあった。牛を放し、ちょっとだけ横になるのだが、娘は元気に遊びたがった。ご機嫌が止まらないのだ。背中に背負って牛舎に行き、トラクターに乗って牧草を山まで運び、とても疲れたと思うのだが、うどんの他に、Yone特製ミートソース(ラム肉・ウド・トマト)のスパゲティーも欲しがり、心配になるほどだった。トマトと麺だけを食べさせる。