復活の萌し 

 今朝の娘は、目つきが違っていた。これまでは、目覚めと共に妻の抱っこを求めて泣き出していたのだが、座ったままオモチャで遊んでいた。お粥をもらって、元気に食べていた。俺たちの朝食であるホットケーキも欲しがったが、これは我慢。お腹も鳴っているので、動いてはいるようだ。
 
 仕事に行く。子牛たちが俺を待っていた。脱走したモモカが、牛舎を荒らしているかと思ったが、何事もなかったようだ。ローズと、ユメカ・真由太郎の部屋を交換した。ローズはトイレを決めているので、部屋が綺麗であり、開口部が広いので乾燥しているのだ。EMボカシを沢山撒き、たっぷり敷きわらを敷いてやる。ローズは賢いので引っ越しも楽だが、子牛どもはロープを使わずに移動させたので、とても大変だった。
 今日は体調も悪く、何度もバケツに座ったまま動けなくなった。おかげで、エライ時間がかかった。
 
 家に帰ったら、妻はマロンのケガの治療をしていた。部屋では娘が寝ていたが、俺が帰ったことに気がつき、すぐに目覚めてニッコリした\(^O^)/。隣に寝ころんで、カレイやタコのぬいぐるみで顔を撫でてやると、いつもどおりくすぐったそうな嬉しそうな顔をした。結構長い時間寝ころんで遊んでやった後、
「ウマウマ」
と食べ物を欲しがったので、ポカリスエットをタップリ飲ませたあと、ビオフェルミン1錠と卵ボーロを2粒あげたら、嬉しそうに食べていた。すぐに整腸剤を飲ませ、冷凍してあった固めのお粥を、お湯を同量入れて加熱し、かき回しては加熱し、ゆるゆるにしてやったら、元気に食べてご機嫌だった。妻に似て早食いなので、少量ずつゆっくりゆっくり食べさせた。ご機嫌ということは、食後腹痛が起きなかったということだ。俺のラーメンを欲しがっていた。
 
 俺は体調が悪いので、ちょっと寝かせてもらった。元気を取り戻した娘は、妻と親戚の家に行った。夜牛舎に行こうとおやつを食べていたら、娘が帰ってきた。元気だ。さすがオレの子と思ったが、保育所からの電話では、水疱瘡が発生しているので、普通のご飯が食べられるようになるまで待って、体力が回復してから来た方が安全だと言われた。元気になれば、手のかからない良い子なのだ。あと数日もあれば、一緒に食事を楽しめるようになるだろう。
 
 夜牛舎は大変だった。サボった分、糞出しが滞っており、小さな子牛用の部屋に大きな子牛が押し込められているので、汚れ方がハンパではなかった。まずは糞出し。
 引っ越しに伴うエサ箱の改修。発情している牛の枠場への移動。妊娠鑑定を受けられるだけの日数が経ったナミコも枠場に移動させてスタンチョンに繋ごうとした瞬間、いつもは大人しいナミコが大暴れして、オレの右手が逆間接に決められてもげそうになった。こういう時に、お仕置きをしてもダメなのはよく理解しているが・・・ついやってしまった。そうしたら、木製の大きな扉に全体重をかけ、後ろ足の脚力でぶち壊して逃げてしまったではないか!暗闇の中に・・・。
 余計な仕事を増やし、余計に疲れる馬鹿な俺だった(T_T)/~~~ 。
 
 娘は夜も絶好調で、妻が炊いたお粥をタップリ食べ、俺が帰るまで寝ないで待っていた。食事を作る俺を見ては笑い、妻は寝かしつけるのに手を焼いていた。