食い物の恨みは恐ろしい 自己嫌悪 久しぶりに村上医師を観た

yonemiki2007-05-27

娘の熱は平熱のままだが、昨夜あたりからお腹周辺に発疹が出てきた。やはり、突発性発疹だったということか?突発性発疹は、発疹が出たら感染力がなくなり、やれやれと思いたいところだが、看病した母親のブログを見ると、熱が引いたあとの方が子どもが泣きじゃくって大変だというケースも多いようだ。
 娘は元気もユーモアも無くなり、片手に携帯電話、片手にハーブ&コラーゲンクリームを持ったまま、妻に抱かれて飯を食べる俺をにらんだりする。なんで、自分だけ食べているんだと言わんばかりだ。いつもなら、ニッコリ笑うはずなのに・・・。妻の胸に抱かれたまま、離れようとしない。
 時々、妻にトイレや食事の時間を取らせるために抱っこするのだが、嫌がり妻の元に帰りたがる。しかし、泣く元気も無さそうだ。大食漢で、食事を抜くとすぐにシャリバテする俺としては、少しでも糖分を取らせてやりたいと考えるのだが、お粥はほとんど進まない。ビオフェルミンの錠剤は喜んで食べるし、卵ボーロくらいならやっても良いと思うが、厳重に禁止されている。子供用ポカリスエットもそれなりに飲んでいるそうだから、無表情になってしまった娘を置いて、(俺が)諦めて牛舎に行く。
 
 娘が病気になってから、仕事がすっかり滞っている。そろそろ去勢しなければならない子牛もいるし、出荷前の磨きをかけなければならない牛もいる。糞出しも満足に出来ていない。
 雪三郎のガンベ治療と、ブラッシングをする。治って毛が生えてきた場所もあるが、時間を置きすぎたので再発した場所もある。
 ローズは、広い部屋が気に入ったようで、表情が軟らかくなった。俺を乗せてブイブイ歩き、寝転がって撫でてくれと催促する。耳の後ろあたりを撫でてやると、目を閉じてウットリしている。
 脱走牛のモモカは、彼女のために張り直した電気牧柵をかいくぐり(又は飛び越え)、今日も元気に脱走していた。子馬たちも北山採草地を走り回っており、対策が急がれるが、1日中娘を抱っこしている妻を置いて仕事に行くわけにも行かず、しばらく抱っこして泣かれて交替する。自己嫌悪。
 こんな時に焦っても仕方ないのに、気持ちだけ空回りしてかえって仕事が進まない。
 
 ETV特集で、久しぶりに村上医師が働く姿を観た。白髪が増えていたが、相変わらず信念を持って突き進んでおられた。夕張市民の意識を改革するという、とてつもない目標に向かって頑張っておられた。なぜ、あのように頑張る医師を、せたな町は放逐したのだろう?懐かしいスタッフの顔も拝見し、みんな活き活きとしておられ、嬉しかった。
 行政が後ろ暗いところがあるとき、撮影を嫌がる姿はみっともない。昨年9月に『伊関先生との懇談会』を開いたときに、個別(町民との会ではなく)で撮影無しでなければイヤだとダダをこねた人と重なって見えた。
 病院はあって当然とお考えの住民の方から、村上医師が診療所にして引き受けることに対し、反対の意見も聞けたのは興味深かった。薬をくれないというトラブルや、人工透析の続行が不可能であるという決定などに不満が続出していた。
 薬に関しては、薬剤師の資格も持っておられる村上医師にとって、重複する薬を出すことは出来ないという判断から来たのだろうが、旧瀬棚町でも始めの頃同じようなトラブルがあったと聞く。それを、7年かけて啓蒙活動(健康講話など)を続けられて瀬棚区に定着させられたのだ。これから大変だろうな〜と思った。
 人工透析については、資本力のない村上医師や夕張市では、コストがかかりすぎて、20名ほどの患者のために、診療所そのものの存続を脅かすものだという議論は、掲示板でもなされたことだ。
 
 俺たちには、いったい何が出来るだろう?
 町長は、『一時の安心を得るために、近い将来みんなで手をつないで海に飛び込まなければならない』状況は避けたいと言っていたが、医療の質や継続可能な態勢、年間2億円近い赤字をやむを得ないという考え、相変わらずの箱物行政などを見ていると、町長に着いていったら、『町民全体が海の中に引きずり込まれそう!』と思った。
 かかりつけ医の必要性を書いたチラシが配られたが、かかりつけ医とは、病気だけを診るのではなく、その人全体・その人の生活環境まで診ることのできる医師である。
 番組でも毎日訪れるおばあさんに、何度も何度も『お茶を飲みなさい』『体を動かしなさい』と繰り返し言っておられたように、患者とちゃんと話しが出来る医師でなければならないと思う。