ユンボ快調!俺不調! マロンの治療 浪次郎の価格 年収10倍?

 朝牛舎の前に、非常に調子の悪いユンボのエンジンを、ブースターケーブルを使ってかけ、屋根から落ちた雪などを掻いてエンジンを暖めた。オイル交換をするためだ。どす黒く汚れたオイルが、オイル缶の中に流れ出て、整備不良を実感する。量も少なくなっていた。

 組替えした牛達は、それぞれの部屋で、ちょっと多めにやったエサを食べきっており、なんだか嬉しそうだった。

 牛舎作業後、ユンボのエンジンに新しいオイルを入れてみたところ、自前のバッテリーだけで簡単にエンジンが掛かり、バッテリー不良ではないことがわかってホッとする。それにしても、オイル交換だけでこんなに調子が良くなるなんて、とんでもない使い方だ。キャタピラやホイルなどもオイル切れしていたので、可動部分に廃油をかけてやったら、とてもスムーズに動き、凍りついていた泥の固まりも綺麗に落ちた。
 
 午後から、教育委員会の人が来て、公務災害について書類を出すように言われた。こちらは弁護士から正式な手続きで申請してあり、診断書も当時の校長・教頭の証言もあり、弁護士には代行依頼の文書も渡してある。
 何となく経緯を説明することになってしまい、当時の辛い記憶が蘇る。
 
 この事件が長引き、大きくなった原因は一昨年馬場川小学校校長だったT氏の異常な行動と、それを目の前で見ていたにもかかわらず何も助け船を出さなかった教頭、事情を知っていながら父兄に誤解を招くような説明会をした当時教育局長などの対応から始まっている。
 
 謝罪したことを撤回したら、謝ったことにはならないというのが常識だと思うが、
『校長は謝ったのに、米村が拒否した。』
という説明が、教育委員会事務局長やT校長によって、父兄や教育委員さんに伝えられ、俺たちはとても居心地の悪い思いを一方的にさせられた。
 今日来た教育委員会の人は、それは謝ったことにならないねと言ってくださった。
 
 彼は謝ることなく、遠くの町に校長として転勤していった。現任の校長先生が
「なぜ謝らなかったのかね?」
と聞かれたそうだが、T氏は
「謝ると、治療費を請求されるんです。」
と答えたそうだ。
 それを聞いて、それは非常識な行動だとも言って下さった。復帰プログラムについても。柔軟な対応を考えて下さるそうだ。
 
 町長の起こした医療崩壊(村上医師辞職及び、瀬棚診療所規模縮小、虚偽説明・・・)などは、当時俺たちが受けていた待遇そのままで、なんてひどい行政なんだと驚かされ、医療問題などに取り組むことになってしまった。
 俺は、議論でなら誰がどういう状況でどんな発言をしたか覚えていられる。(人の名前や集会日程は忘れるが)
 町長は、会うたびに違うことを言い、前回あって話したことを
「そんなことは言っていない。」
と言い、全然デタラメな情報(町に流れている間違った情報)を元に話し、俺がその間違いを指摘すると
「よく勉強しているね〜。」
と笑って誤魔化しておられた。笑い事ではすまないと思う。仮にも町の最高責任者の言葉だ。
 
 そして、案の定言った言わないの話しになり、町長として発言されたことに対し、何の責任も持っておられないことに失望させられた。
 先日の議員協議会で
「町民がやっている掲示板のせいで、内定していた内科医が来るのを取りやめた。」
と言う発言をされたそうだが、ご自分が軽んじられた、自治医大から来たいと言ってくださった総合医の話しはされていない。
 
 つまらんことを思い出し、体調が悪くなったが、マロンのケガの治療は、そんなことで中断するわけにはいかない。ストローを深々と差し込み、抗生物質入り生理食塩水を注入したが、膿などは全然出てこなかった。ペニシリンの注射中も、全く動かないので、針が刺さりすぎることなく容易に済ませることが出来た。
 
 夜牛舎に行く前に、市場成績ファックスが届いた。浪次郎は、俺の計算よりだいぶ重く、320kgあり、うちの雄の予定販売価格より、18万円も高く売れた!これで年収20万円か〜?