何かいる? ユンボ救出

yonemiki2007-02-03

 俺は、牛舎作業中によく若い女性の声を耳にする。誰もいないのだから空耳だったり、スタンチョンがこすれる音だったりするのだと思っていたが、今日のは違う!明らかに女性の話し声がした。一緒にいたカイトも聞こえたようで、声のした方向に走っていったのだが、誰もいない!幽霊でも住み着いているのだろうか?
 
 俺がカナダのマッケンジー川を、上流のピース川から一人で川下りしていたとき、大きな滝(幅が数キロメートルある)の脇でキャンプして、美しいオーロラに照らされながら夜釣りをしたことがある。どんなルアーを付けても、投げればすぐに大きな魚(ゴールドアイやウォールアイ)が釣れた。1匹だけ残して全部リリースしたのだが、釣りをしている間中、複数の人の気配と視線を強烈に感じて、何度も後ろを振り返った。
 数十㎞下流の町で聞いたら、地図の無かった開拓時代に、あの滝で沢山の人が舟ごと落ちて死んだ場所だった。キャンプした話しをしたら
「何にもなかったのか?」
と聞くので
「大勢の人の気配と視線を感じた。」
というと、ゴーストに違いないと、いつもは無表情のインディアンが、大騒ぎして喜んでくれた。そんなところで寝るなんて、知らぬが仏というヤツだ。
 
 気温が上がったので、ユンボの救出に向かったが、昼間のうちはまだ氷が硬くて、手に負えなかった。
 夜牛舎が終わった10時頃、地面の雪が融けて、シャーベット状になっていた。このチャンスを逃すと、春まで脱出できないかもしれない。そう思って、トラクターのライトで照らしながら、ブースターケーブルでエンジンをかけ、キャタピラを片方ずつ持ち上げて、大ハンマーで叩いて緩んだ氷を割る。片方が、かすかに動いたので、勢いづいてさらに頑張る。
 脱出したのは11時半頃。現在、背筋と腹筋が痛く、椅子に座っているのも辛い!