くっつき娘 旦那のような生活

 娘は、妻を片時も離さない。俺が抱っこしても、体をひねり、妻の方に行きたがる。常に妻の方を向き、いなくならないように見張っている。先日まで俺1人の娘だったのに、今は俺の存在がまるで空気のようだといじけてみる。
 俺と2人の日々、何事も無かったように暮らしていたのに、母親と離れていたのがよほどショックだったのだろう。救いは、妻の母親が色々やってくれるので、俺は楽ちんである。
 
 妊娠牛のエサ場が、ぬかるんでひどい環境なので、ユンボで堆肥場を整備しようと思ったのだが、夏用軽油が入っていたのか、エンジンがかからずバッテリーが上がってしまう。蕎麦トレーラーを着けっぱなしのトラクターも、結局同じ状況で、倉庫にしまうことが出来ない。仕事が思うように進まないのにいらつきながら、断線したブースターケーブルを捨てて、新しいケーブルを買うことを決心した。
 
 家に帰ると、飯が用意されて出てきた。娘は妻にくっつきっぱなしだが、話し相手がいるので、俺がパソコンに向かっていても怒られない!先日までの暮らしとは、まるで違う。
 
 夜は、娘が夜泣きして大変だった。俺は、睡眠導入剤を飲んで寝ているので、やがて眠ってしまったのだ。娘は、泣きやんだあとはベッドの上で大暴れし、俺の顔をつねったり鼻に噛みついたりしていたのだが、さっぱり知らないで寝ていたらしい。