席替え 小春日和は嫌い 出荷準備 またまた夜中の脱走

 ベビーラッシュも中盤に来て、子牛を入れる部屋割が難しくなってきた。カナエとタマエを、島次郎と雅太郎の部屋に引っ越しさせてみた。エサ箱に顔を出す隙間が広すぎるうえ、数が足りない。インパクトドライバーの電池を暖めながら、4つ顔を出す柵を着けた。
 入れてみて、どうも狭い。部屋も顔を出す隙間も狭くて、成長の速い子牛たちはたちまち顔を入れられなくなりそうだったので、雅太郎は数三郎と蕾太郎の部屋に移動させた。
 3頭になったので、先ほど付け替えた柵を微調整し、3頭が顔を出せるようにした。他の作業をしていると、カナエが牛舎内を走り回っている。柵が、ちょっとだけ広すぎ、そこから飛び出したのだ。
「ベ〜!ベ〜!」
と声をかけると、走って俺のところにやってくる。カワイイと思いつつ、頭を撫でてやりながら部屋に戻し、脱出防止の横棒を取り付ける。降り返ると、ちょうど再脱出する最中だった。てめ〜と思いつつ声をかけながら部屋に戻し、柵を下げた。さらに作業していたら、端っこのエサ箱がない場所から脱出してきて、俺の尻を突いていた。ここで怒ってはいけない。よしよしと撫でてやり、部屋に戻し、さらに改良を加える。
 
 今日は小春日和で、雪が一気に融け、農地がヌタヌタになった。トラクターで牧草を入れるのも大変だ。牧草を運んだ後、表面のドロを低地に押し出す作業をしたが、きりがない。
 
 議会の傍聴に行きたかったが、そんなことをしていて行く暇無し!後で議員さんにどんな話だったのか聞きに行こう。
 
 今日は、農協が閉まる前に代用乳を買うことができた。早速、師匠に返しに行く。
「牛飼い、頑張ろうね。」
と言われて嬉しかった。
「これから返って牛舎作業です!」
と威勢のいいことを言ったのだが、実際は明日出荷する牛が汚れていたので、研いているうちに飯の時間になった。
 食べ終わって、牛舎に行ったら、中が荒らされていた。せっか仕込んだEMボカシは、全部食べられており、エサ袋は踏み破られ、中身は空っぽだ。先ほどドロを移動させる作業をした後、ゲートを閉め忘れたのだ。急いでとなりに牛が行っていないか確認し、それから牛を集める作業だ。大部分は最初に気がついたときに、柵内に追い込んだのだが、単独行動主義者の数頭がその辺をうろつき回っていたようだ。全部集めて、掃除をし終えたのはまたまた真夜中だった。
 蜜四郎は、相変わらず、朝の2リットルを飲んだ後、夜は微量しか飲めない。心配だ。