口で鯛を捕るッテ? 

yonemiki2006-10-20

 
 なんの話だと思うだろうが、俺は、素潜りして手銛で魚を捕るのが趣味である。口で鯛を捕るのは、そんな俺の得意技の一つだ!
 
 ニュージーランドに、語学研修で行っていた頃の話だ。
 語学研修といいながら、背中には65kgの荷物を背負っていた。ウェットスーツ・テント・寝袋・手銛・竿・・・。
病院の寮(語学学校から紹介された)に泊まり込み、ウィークデイは夜遅くまで猛勉強!ジュニアドクターや看護師などと歓談し、ウィークエンドは魚突きにいそしんでいた。
 寮のみんなは、その獲物を楽しみにしてくれるようになった。みんなより相当年上の俺が、素潜りして手銛で魚を突くのを「東洋の神秘?」と思っているようで、面白かった。
 
 ドイツ人のジュニアドクターのダニエルに、
「お前の歳でそんなに若々しく、素潜りで魚を突けるなんてすごい!」
なんて感心されて得意になった俺は、
「俺の最高の得意技は、口で鯛を捕ることだ!」
豪語した。
 信じられないことだが、彼は信じてくれたのだ。
(彼は、俺がカワウソのように、ものすごい速さで水中を泳ぎ、鯛に噛みつくところを想像していた。)
 
 後日、港にドライブに行く機会があり、そのワザを実演してみせることができた。ダニエルは、俺がどんな曲芸を使うのか、ものすごく興奮していた。
 ところが俺は、沖から帰ってきたモーターボートに近づき、
「なんか釣れたかい?えっ鯛が釣れた?すごい!ちょっと見せて。わー!こんな立派な鯛は見たこと無い!!お前さんは釣りの名人だ〜!」
と英語で褒めちぎる。すると、人のいいニュージーランドの釣り人は、
「持ってくか?」
と気前よく、何匹も鯛をくれるのだ!成功率100%!
 当然その晩は、寮のみんなと鯛の刺身やカルパッチョ、ムニエルでパーティーだった。

 そのワザに感動したダニエルは、俺と帰国直前のロングドライブ中、プロの漁師相手に
「試してみるよ!」
と果敢に挑戦。さすがに、高価な鯛は無理だったが、沢山の魚をゲットし、キャンプの食事がグレードアップしたのは言うまでもない!夢のように楽しい1週間だった。
 
 俺の帰国後、そのワザを真似するヤツが増えたらしいが、聞いた話ではみんな大成功していた。
 
 今日は体調が悪いので、日記は勘弁!右上の写真は、銛で捕った石鯛。
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