ゴロウ無事帰還 福三郎出荷 娘の世話 人は城

 福三郎の出荷のため、早起きして玄関を開けたが、ゴロウはいなかった。首輪もしてないが、口笛の聞こえないところに行くことはない・・・。
 突然ひらめいた!鶏小屋だ。1年前から鶏は居なくなっているが、戸が押せば開くが中からは開けられないのだ(犬には)。先日、カイトも閉じこめられた。
 行ってみたら、案の定ゴロウは閉じこめられていた。不審者以外には無駄吠えしないので、呼んでも黙ってジッと待っているのだ。無事で何より!
 
 福三郎に水をやり、モクシを交換して、最後の磨きをかけた。家畜運搬車にも、ほとんど世話をかけることなく乗った。高く売れろよ!肥育農家に買われ、2年ほど腹一杯ご馳走を食べて、その後、誰かのご馳走になってしまうのだ!
 
 牧草収穫や、医療問題にかまけて、娘の世話にかける時間が、あまりに少なすぎた。俺が帽子をかぶると、仕事に行くのが判って泣いてくれたり、足音が聞こえると笑顔で迎えてくれるのに甘えていた。
 昨日、久しぶりに沐浴させたのだが、大泣きされてしまった。ずいぶん成長して、ベビーバスが小さくなっていた。離乳食を食べさせたり、俺が食べている栗を、6個分くらい食べさせた。
 今日の沐浴は、ちょっとだけ泣かれたが、だいぶマシだった。

 馬庭先生の以前の投稿で、信玄の『人は城』を例に挙げ、
「同じ給料でも2倍働くスタッフがいる。そういうスタッフのやる気を大切にしなければ、ただ医師や看護師の頭数だけをそろえる行政の姿勢には無理がある。」
と、人のやる気の大切さを提言されていた。

馬庭先生の投稿抜粋
「恐らくこれまで熟成されてきた瀬棚の医療は,医師を含めたスタッフの知識・技量は診断技術,治療効果において設備を備えた病院の医療効果(患者さんが良くなるという面において)をしのぐでしょう.無駄な検査費,薬剤費は大幅にカットできます.

だから人の知識・やる気・経験が如何なる病院体制や訳の判っていない行政の予算編成に代わるものなのです.大きな建物の建築費,施設拡充費(CT,MRIなど高額設備)はなくともカバーでき費用対効果費は良い方向に向かいます.考えてみてください.何も瀬棚の人の健康を知らない医師がポット北海道に来て,症状から重厚ないろんな検査をするのと,従来からその人の健康を把握しているチームが必要な検査をし,的確な治療をするのと,どちらが費用対効果が優れているのでしょうか.

武田信玄も人は城といっていました.だから,大城郭をつくる費用で人とシステムを育成していたのです.」

 もちろん、瀬棚診療所は小さいが、作業療法士理学療法士・薬剤師がいて、ヘリカルCT等をそろえた、「重装備の診療所」と村上医師は言っておられた。患者の異常を、早期に発見し、重傷化する前に高次医療機関で治療する方が、町の財政として安上がりだというお考えだったと思う。しかし、それ以上にスタッフのやる気を大事にしておられたと思う。だから人が集まり、町外からの患者も集まったのだ。
 
 町としては、瀬棚診療所に新たな医師を連れてくることが出来ないでいる。募集条件が北檜山国保より安いのも影響しているが、やる気のあった医師を辞職させ、石を投げつけ続けたことが原因だと俺は思い、町長に村上医師と和解するように何度も話を持ちかけた。伊関先生も、そうすることが一番だと思って進言して下さったそうだが、町長の態度は変わらなかった。
 では、俺たちに何ができるだろう。このまま、行政と吉岡医師に任せていては、吉岡医師が体を壊してしまうだろう。吉岡医師と相談しながら、住民として出来ることを出来るだけ支援していくことが必要では無かろうか?