しかたなくラップサイレージ干し テッター 診察 逆子?

 俺はいつもどおり目が覚めた。娘と妻は、昨夜の疲れでまだ寝ていた。ルボックスの不正使用でお昼の分が無かったのだが、今日は木曜日で診察は午後からだった。
 昨日モモカに破られた、ラップサイレージ干しをやった。冬に使おうと思っていた、とても水分の少ないサイレージなので、勿体なかった。とても良い匂いがする。
 
 ゴロウとカイトを連れて、テッターがけに行った。南斜面は完璧に乾いていたが、木陰になるところや北斜面は、まだまだ青かった。
 
 午後から診察に行った。北大医学部の研修生の方が、話しかけてくれた。村上医師の記事を読んで瀬棚に興味を持ったそうだが、村上医師辞職後、一人で診療所を切り盛りしている吉岡医師の元で研修したかったそうだ。
 昨日の、伊関先生がおっしゃっていたとおり、研修に行きたいと思うような医療機関でないと、実際に働こうとは思わないそうだ。何人もの研修医を受け入れることで、何人かが残ってくれるという伊関先生の考え方に、賛同されていた。医局人事が崩壊した今、研修医を受け入れない医療機関は、医師確保がほとんど期待できないそうだが、実際に医大生の話を聞くと、なるほどと思わされる。
彼は、「総合医」を目指して、勉強しているそうだ。
「いつの日か、瀬棚診療所に帰って来てください。」
とお願いした。
 思ったより、激しく疲れが溜まっており、隅っこのイスで横になって眠ってしまった。吉岡医師は、伊関先生の懇談会をとても喜んでくれていた。
 
 帰りに、テッターをもう一度かけて、家に帰る。
 
 夜牛舎に行ってみたら、アヤが産気づいていた。産室は助産するには狭いので、スタンチョンに連れて行く。他の作業をしながら様子を見ていたら、出てきた足が、裏返っていた!普通前足から出るのだが、甲が上になって出てくるので、かかと側が上を向くと言うことは・・・
「逆子か?」
急いで、産科チェーンとカウヘルパー(8倍滑車)を持ってきて、裏返った足にかけてゆっくり引っぱった。すると、肛門のあたりが膨らんで見える。一度、滑車をゆるめて、もう一度確認してみたところ、前足がねじれて裏返っていただけで、逆子ではなかった。一度押し戻して、肛門に引っかかった頭を、出やすくしてやった。もう一度、滑車を使って引っぱる。でっかい雄の仔牛だった。昨日の出産でなくてよかった!「綾三郎」と命名
 家のパソコンから、監視カメラで見ることができるのだが、親の横でもぞもぞ動いている。