スイカの切り方! 疲れること 

yonemiki2006-08-13

 離島に住む教え子から、
「重たい荷物を送ったから!」
とメールがあったので、密かに
ウミガメかな〜?」
と期待していたのだが、でっかいスイカが送られてきた。彼女の義父が育てた物で、他に彼女作ゴーヤや島唐辛子も入っていた。
 俺はスイカが大好物で、切り方にもこだわりがあり、絶対に人には切らせない。スイカは薄く、中心の甘いところがすべての切片に入るように、切らなければならないのだ!切る厚さは、食べる人の出っ歯具合に合わせるが、薄すぎると自立できないし、厚すぎると口のまわりがベチャベチャになる。
 
 俺のギックリ腰は、かなり良くなってきた。妻と娘(4ヶ月)が牛舎に手伝いに来てくれ、午前中は重い物を持たなくても済むようにしてくれた。しかし、逆に疲れさせてしまった。
 俺たちは、体調の悪い中、「掲示板」や「せたなの僻地医療を考えるサイト」を、かなりの無理をして立ち上げ、運営している。町の医療体制が、財政難を理由に、なし崩し的に崩壊することを危惧している人の声を集めるためだ。「せたなの医療を考える会」の後方支援が出来たらいいと思ってやっている。
 そういう中で、伊関先生のような、日本で唯一「公立病院の経営」を研究している大学の助教授の懇談会の話を取り付けるに至った。
 主催は「せたなの医療を考える会」でしてもらえればこれ以上のことは無いと思った。しかし、今まですべてを背負ってやって来たかあさんたちは、すぐには動けないという回答だった。
 先方との交渉をすぐに始める必要があったので、賛同してくれる有志の助けを借りて、開催に向け運動中である。みんな一町民で、特別な社会的地位のある人は、一人もいない。それぞれの生活の中で、資料を集めたり、チラシを作ったりしてくれ、すごく感謝している。
 
 こういうチャンスは、逃す手はない。伊関先生は、日本中で活躍中の経営コンサルタントの長隆さんの依頼で、財政再建団体になった夕張市立病院の経営診断をされた後に、自分の研究とテレビの取材のためにせたな町に来てくれるのだ。
 財政非常事態宣言を出した町長や、医療対策審議会の方が出席して質問すれば、町の医療について専門的立場から的確な助言を仰ぐことが出来るだろう。
 
 そう思って、無理してやっているときに
「なんでせたなの医療を考える会主催ではないのか?」
「テレビ局が入るのは問題だ。」
などと言われると、死ぬほど疲れる。
 これまで「考える会」になんでも任せっきりだったから、かあさんたちを疲れさせたのだし、NHKが取材要請をして、伊関先生をせたなに連れてくることがなければ、そもそも呼びもしないのに来てくれることなんてありえない。独自に呼んだ場合、旅費も日当もすべてこちら持ちになり、軽く数十万円はかかるだろう。こういう負担を一切しないで、住民や行政の方から要請があれば、ついでに相談に乗ってくれると先方が言ってくれているのに、
「あれがどうした。これがなんだ。」
と言っている場合ではない!と俺は思うし、懇談会の共催を引き受けてくれた友人も同じようにせっぱ詰まった気持ちだ。何人集まるか判らないので、会場を借りる費用をどうしようか?広さはどうしようか?会費を取るべきか?判らないことだらけだ。
 今は誰もが、人任せにしないで、出来ることをやるべき時だ。
 妻は、立ち直れないほどショックを受けている。
 
 俺は気分を切り替えて、ラップサイレージを新たにほぐして、天日干しをした。治りかけのギックリ腰に、300kgの牧草を広げる作業はこたえた。
 先日刈り取った牧草のテッターがけに行った。ユンボで、堆肥の切り返しをした。トレーラーの重心を変えるために、サンダーで支え金具を切り、柵をユンボで強引にひん曲げた。溜まりに溜まった糞出しを猫車でやった。やることは、山ほどある。
 
 そんな俺の救いは、娘の笑顔と、美味しいスイカだ!娘は、ドアが開く音が聞こえると、俺が帰ってきたと思ってこっちを向いて、ニッコリ笑って迎えてくれるのだ。
 スイカは、今日一日で半分食べてしまった(一人で)。