快晴だけど最悪の体調 「せたなの医療を考える会」 真夜中のドライ

期待していたのだが、カイトは帰ってこなかった。ゴロウも寂しそうだ。久しぶりに、棒を投げてやりながら牛舎に行った。
 大型扇風機で風を当てていたので、湿り気味の乾草もパリパリに乾いていた。これなら、切り草を作ってもカビが生えないだろう。子牛たちは、相変わらず新しい牧草をよく食べてくれた。
 
 テッターをかけに行った。気温が上がり、よく乾燥が進んでいた。バラ芯のロールベーラーなら、もう巻いても大丈夫だろう。あと数日晴天が続きそうなので、新たに刈りとっている人が何人か見えた。(丘の向こうに)
 俺は、現在刈りとってある牧草を、良い乾草に仕上げることだけに専念することにした。モアコンディショナーのVベルトも交換しなければならないし、欲を出してもろくな事はない。
 
 午後からもう一度テッターで牧草反転に行きたかったのだが、Mikiもペットロスと姫ロスで落ち込んでおり、俺も一緒になって落ち込んでしまった。作業に行くどころではない。
 結局、またカイト探しに行った。北檜山区の住宅街に行き、犬を飼っている人に、
「黒い小さな迷い犬が来ませんでしたか?」
と聞いて回った。犬の散歩をしている人にも声をかけた。偶然、立ち話をしている友人に会ったが、やはり知らないということだった。
 
 「医療を考える会」の勉強会には、いつもどおり遅刻していった。
 活動報告の部分は既に終わっていた。町長に会いに行った方の話があったが、町長はよく話を聞いてくれたそうだ。
「『そうですね。そうですね。』と話は聞いてくれるのだが、それについての具体的な考えは、何一つ出てこないんですよ。『そうですね。それについては私もこう考えています』という具体的なものが欲しかった。」
いつもの町長だ。
 
 吉岡医師が残る理由についての話も聞けた。先日話をしたとおり、優秀なスタッフが、何とか診療所を守りたいと頑張っているので、その方たちともっと働きたいと、言っておられた。もうしばらく様子を見たいということで、辞意を完全に無くされたわけではないようだった。
 新聞記者の方も来ておられ、週明けには記事になるそうだ。
 
 終了後、おにぎりを買って、もう一度八雲への道を走った。今金経由で八雲に行き、帰りは途中ゴロウに伴走させながら、名前を呼んだり口笛を吹いたりしながらゆっくり走った。だが、返事はなかった。