馬たちの採血 調教とは ヒカリコ帰宅 脱走牛

 早朝の授乳は俺がやったので、ちょっとからだがだるい。昨日の痛みはだいぶ和らいだが、ちょっと用心しよう。
 
 今朝は、馬たちの「伝染性貧血」を検査するために獣医さんが来た。馬が1頭もつながれていないのを見た獣医さんは驚いた様子だった。口笛で呼び寄せ、ホルターを着けリードロープを持ったまま採血してもらった。
 オリーブは注射の針が刺さると、ビクッとして退いたが、それ以上に獣医さんの顔が恐怖に引きつっていたのに驚いた。心配そうなオリーブに「大丈夫だ」とよく言って聞かせ、頭をそ〜っと抱いて安心させ、採血してもらった。終わった後、頭をなでなでして放してやる。
 俺の愛馬ポパイは、でかいのでみんなビビっていたのだが、人を信頼しており、平然と採血をさせたので感動してもらった!
 ビクターは、なかなか血管が見つからず、痛い思いをさせたが、振り切って逃げることもなく、終わった後誉められて嬉しそうだった。
 ジュリアも、ちょっと手こずったが、上手な先生に採ってもらい、大丈夫だった。
 ブランカとマロンは歳もいっているので大丈夫そうなものだが、逆にイヤなものとして覚えているようで、ブランカは体をかわして逆に痛い思いをしていた。
 
 余所ではガッチリ縛ったり、鼻ネジで鼻を強力に締め上げ、抵抗できなくしてやるものらしい。うちの仔馬は、痛い思いをしてホルターブレーキングした甲斐があった。
 
 Mikiは、ホースマンとして恥だから、馬に蹴られたことを書くべきではないと言っていたが、俺はただの動物好きの男だ。素人の俺が、馬をどんなふうに苦労して調教(トレーニング)しているか知ってもらうために書いた。
 ビクターが、俺のことを大好きな友人と思っていただけの先日までだったら、ガッチリ縛っていないと、注射を刺された瞬間に蹴られて逃げられてしまっただろう。
 それを、自らの意志でそこに留まり、敢えてちょっと痛い注射を受け入れる。これは、強制されてやっているのではなく、ビクター自身が俺のいうことを聞くことを選択しているのだ
 調教というと、厳しい体罰でいうことを聞かせると思う人がいるが、ポパイは俺と乗馬することを楽しんでいると思う。イヤなことを無理矢理やらせているのなら、口笛を吹いただけで広〜い放牧地から、自ら近寄ってこないだろう。調教(トレーニング)は、上下関係をはっきりさせた上で、遊びの一環として行うものだと思う
 新馬の調教は初めてだったのだが(ポパイやオリーブは、完璧ではないがホルターブレーキングはされていた)、日本一の馬の調教師である師匠を基準としているMikiに言わせれば、100点満点中5点も貰えるだろうか?(身を危険にさらしたから) 仕上がりとしては、ビクターは95点くらいだそうだ。ジュリアは、雌馬なのでもうちょっと時間がかかりそうだ。
   
 米糠を90kg買った。EM作りの材料だ。ヒカリコが帰ってきた。そんなに腫れているようでも、跛行しているようにも見えないのだが・・・。去年建設した牛舎内に草架を置き、ロールを一つ置いてやる。風呂桶に水を入れてやる。広いので、多少の運動にもなるし、足を休めるのにもちょうど良いだろう。来月までに治ればいいのだが。
 
 モモカとサチコが脱走して、乾草庫内に来ていた。どこから脱走したのだろう?脱走の時、必ずモモカが絡む。一応、箒を使って妊娠牛の群に追い戻したが、明日の朝脱走場所をチェックしなければならない。