ホルターブレーキング2 脱皮

 子牛の引っ越しをしたので、世話をする部屋数が減り、仕事がちょっと楽になった。今日は体調も良く、いい感じだ。
 
 丸馬場の壁が壊れている部分を補修し、ジュリアのホルターブレーキングをすることにした。先日ビクターをやったところは3畳ほどの狭い馬房だったのだが、今日は直径15mの広い丸馬場なので、よほど間抜けなことをしなければ安全だ。
 
 問題は、どうやって中に誘い込むかである。はじめ、母親のブランカと一緒に誘ったが、全然着いてこない。ボス馬ポパイを使ったが全然ダメで、オリーブと一緒に逃げられてしまった。ビクターも出てきて手こずらせてくれたので頭にきていたのだが、結局オリーブとポパイを丸馬場に連れて行ったら、ジュリアもやっと中に入ってくれた。すかさずドアを閉め、オリーブとポパイは放牧地に帰した。
 
 ジュリアも俺からひどいことをされたことがないので、プレッシャーをなかなか感じてくれなかった。仕方なく、追いムチで尻を軽く叩き、追い回す。ップレッシャーをかけるのを止めたとき、こちらに顔を向けたら頭を撫でてやる(リリース)。わりとすぐに意味を理解し、俺に向かって頭を向けるようになった。楽勝かと思ったのだが、そうは問屋が卸さない。この時、もう少し粘り強くやり、俺が後ずさりしたとき、積極的に近づいてくるような練習に時間をかけるべきだった(反省)。
 ホルターで体を撫でてやり、匂いを嗅がせて怖くないことを教え、頭に着ける。引き綱を軽く引くと、回転運動はすぐにできるようになった。体の反対側に引き綱を廻して引っぱると、くるりと逆回転して俺の方に顔を向ける。
 しかし血筋というものだろうか?母親ブランカの悪癖である後引きの素質を既に持っており、真っ直ぐ引くとバックした。回転させても、前足を軸にお尻を振るだけで、なかなか前への一歩を踏み出せない。かなり時間をかけ、ようやく最初の1歩を踏み出させることができ、頭を撫でてやる。何度も歩いては、頭を撫でてやる。
 
 ビクターのおさらいもやった。はじめは驚いて走ったが、すぐに頭を俺の方に向けて近づけば大丈夫なことを思い出し、俺が歩くと引き綱も着けずに俺の後ろを着いて歩くようになった。やっぱり頭の良い馬だ。
 
 長時間長ムチを振るったので、右肋骨下と、治りかけていた右肘が痛くなった。夜牛舎の糞出しでは、スコップに力が入らず苦労した。
 
 羊のココアが脱皮していた。実は、毛刈りをする暇がなかったのだが、気温が高くなり長くなった毛が固まりで抜けて、まるで脱皮のようだ。
 
 ナナミの販売成績が送られてきたが、先日高値で買ってもらった元五郎の1/3以下の値段だった。ヒカリコは、足が腫れていたそうで、返品されてしまった。来月までに治るかな?